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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2573号/12.06.18
 「あまりにも多くの人びとが、最も安く、最も従順な労働供給を見い出すための「底辺へ向かう競争」に巻き込まれていく」(『新自由主義』デービィッド・ハーベイ著)。ますますこの傾向がすすんでいる
▼過酷な労働の下で働けなくなるのは自己責任とされる。最終的なセイフティーネットは生活保護だ。だが生保をめぐり新自由主義者の攻撃がはじまった。あるお笑いタレントの母親が、息子が人気者で売れっ子なのにもかかわらず生活保護を受給していたことがマスメディアを通じてバッシングされた
▼「(家族による)「自助」「自立」を第一とし、(中略)負担の増大を極力抑制する」という自民党の政策ビジョンにのっとって、自民議員が「不正受給者」暴きキャンペーンを煽っている
▼かつてアメリカでレーガン時代にはやったのが、「福祉の女王」。公的扶助を受けながら高級車に乗って買い物をする黒人シングルマザーという都市伝説だ。日本では、生保で贅沢するモラルハザードと喧伝されてきた
▼こうした動きに厚労相は扶養義務を強調し、拒否者には説明責任を課すという。現実を直視できない政治に残された途は腐敗でしかない
▼超党派の議員で「尊厳死法案」が検討されている。「延命治療の中止」がその眼目。個人を国にとってコストがかかるかどうかで死ねと判断する高齢者殺し
▼新自由主義をつぶすために生き抜く、という覚悟が高齢者にとっても必要だ。

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