なぜ即時原発廃止なのか
西尾 漠 著 緑風出版(定価2000円+税)
福井県おおい町にある大飯原発3、4号機の再稼働が強行されたのが昨年の7月だからもうすぐ1年になる。その分だけ核廃棄物も増えているということ。
いま稼働しているのは、この2基だけだから、この2基さえ停止することができれば、全原発の停止は実現できる。
人びとが放出された放射能とどう向きあうか、不安を抱えていつまで暮らすのか。しかもその判断が個人に押しつけられている理不尽さに怒る。二度と事故をおこしてならないが、かりに事故がおこらなくても放射性廃棄物は増え続け、労働者の被曝は避けられず、核拡散の脅威は増すから脱原発しかないというのが本書の立場だ。
くわえて、2011年の3月11日には筆者はずっと反原発にとりくんできた、原子力資料情報室で眠れぬままに過ごしたという。そして住民の被曝のニュースに接したときも間違いではないかとすら思いたかったし、テレビに出演しても、ほとんど「わかりません」としか発言できなかったことを悔いている。
この悔いが、本書になったのだろう。想定できることを「想定外」とさせてしまった猛省のつまった本だ。 (E)
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