憲法が変わっても戦争にならない？

高橋　哲哉・齋藤　貴男　編著　　ちくま文庫（定価）740円

　安倍首相が「成長戦略実行国会」と位置付け、産業競争力強化法案や国家戦略特区関連法案などの早期成立をめざす臨時国会が15日からはじまった。
　 本書は「なぜ憲法改正、とくに９条改憲を唱える声が大きくなってきているのか。その狙い、背景はなにか」を憲法学者だけではなくジャーナリストや映画監督、漫画家などの寄稿者がさまざまな視点から明らかにする。現在の害涙を読んでみても自分の暮らしに照らしあわせて想像してもどこかピンとこない、と思っているあなたに読んでほしい一冊。私もそんなひとりだったからだ。
　 「歴史、「心」、監視社会化や格差社会化、軍事、経済、社会情勢、マスメディア」などさまざまな視点から、とくに本書のタイトルにも使われている「戦争」や「９条」「集団的自衛権」などを軸にコラム、Q＆Aやイラストも盛り込んで要点をつかむ。改憲草案に隠れている課題を探り、改害だよって日本がどのような方向にすすみ、私たちの暮らしがどう変わろうとしているのか、を考えたい。
　 憲法を変えるか、変えないか。決めるのは私たちだ。ぜひ、自民党の改害草案とあわせて読んでほしい。　　　　（伊）