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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2604号/13.01.28
 火事にあって、かえって生活や事業が豊かになることを「焼け太り」という。だが、今回は2つ目の意味の方が適切だろう。辞書にいう、その組織の危機的な状態であることを逆手に利用して、かえって組織が肥大化すること。たしかにそうだ
▼法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」が基本構想案を先日出した。この内容がすごい。まさに焼け太りそのもの。そもそもこの特別部会は大阪地検特捜部の証拠偽造で検察の信頼が地に落ちたことからはじまった。えん罪や違法な取り調べ防止のためにどうするか、というところから論議がはじまったはず
▼肝心の可視化は裁判員裁判の対象事件では全過程を原則といいながら、もう一案では範囲は取調官の裁量に委ねる、とする。証拠開示についても、採否をふくめて検討とするだけ
▼にもかかわらず、司法取引や刑事免訴、通信傍受、会話傍受、身柄拘束などを積極的に明記している。人びとの憲法上の権利を大いに侵害し、違法取り調べも強化しようという中身だからびっくりだ
▼大阪では脱原発を叫ぶ人びとへの事後逮捕というかたちでの弾圧が強化されてきているのが現状だ
▼反省は猿でもする。しかし反省すらなく、自分たちに有利なことだけを、これを契機に貫こうとする人びとをなんとよぼう。反省なき者、それは警察・検察だと叫ばざるをえない
▼狭山闘争50年の内実は、こうした厚い壁をぶちこわす闘いでもある。

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