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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2613号/13.04.01
 全国の公立小中学校の保護者を対象にした調査が公表された。「豊かな家庭の子どもほど、よりよい教育を受けられるのはやむ得ない」という考えをもっ保護者が過半数になった。しかも各層で増えている
▼「背景にあるのは、「格差社会」が広がっているという認識の定着と、雇用の不安定さなど現実の暮らしの厳しさだろう」と指摘するのは耳塚寛明・お茶の水大学教授。所得が多い家庭ほど高学歴教育、いわゆる有名校への進学が多いことを耳塚さんは明らかにしてきた
▼「前回調査からの4年間で、日本社会は平等の理念を捨て去る方向に舵を切った可能性がある」とも指摘する。「格差を当たり前と考える社会では、貧困層への手が打たれず、医療などの社会保障費も削減される。安心・安全な社会を犠牲にしてしまう」とも
▼人権をめぐっても「差別される人に問題がある」「学校では権利より義務を教えるべき」「権利ばかり主張しがまんできない者が増えている」「人権問題は差別を受けている人の問題」などとするネオリベラル的傾向が増えている
▼安倍政権がスタートさせたのが「産業競争力会議」と「規制改革会議」。解雇しやすくして転職を促すことがテーマになっている
▼規制緩和という名で非正規労働者が増え、格差社会が拡大再生産されているのが現状。正規労働者も首切りOKという権利抑制、企業優先のネオリベラル政策、格差社会づくりを許してはならない。

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