憲法96条の「改正」をめざす安倍首相だから背番号96の野球のユニフォームが贈られたのか。5日、国民栄誉賞を贈られた松井秀喜、長嶋茂雄さんが首相へ贈った。今回は、松井さんの引退式に合わせ、はじめて首相官邸以外でおこなった
▼国民栄誉貫とは1977年に当時の福田槌夫首相が王貞治選手に贈ったのがはじまり。これまで20人と1団体が受賞している。「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったもの」に与えるとされている
▼しかし判断基準は首相に任されている。つまり、栄誉賞を贈る者にかこつけて自分の人気とりに使うことも可能
▼問題の背番号96は、96代目の首相だからというのが「答弁」内容。あまりにもできすぎた話と思う人が多いだろう
▼96条の「改正」をめぐって論陣を張っているのが安倍首相。改憲要件を国会議員の3分の2から過半数に下げることで改憲を図ろうとする意図がみえみえ。その先にあるのは、人びとを憲法で縛り、統合しようという構図だ
▼こうしよう、ああしようということが、ある日突然ひっくり返されたら、私たちの日常はまったく立ちいかなくなってしまう
▼そんなことを狙うのが安倍首相がいう改憲だ。本来は権力者を縛るものとしての立憲主義から、国家が人びとを縛るものに転化することを許してはならない。いま、ここにある危機は、96条の「改正」だということに気づく必要がある。
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