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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2628号/13.07.22
 米フロリダ州で昨年、黒人少年が「自警団長」の白人男性に射殺された。男性は正当防衛を主張し、陪審裁判で無罪が確定した。この事件をめぐっては、当初から人種差別だとして抗議の声があがっていた
▼犯人の白人男性は、買い物帰りだった17歳の黒人の少年の後をつけ、もみ合った末の正当防衛を主張した。しかし、少年が両手にもっていたのはジュースと菓子だけで、武器などもっていなかった。しかし当局は、犯人の男性を逮捕しなかった
▼不逮捕の根拠は「正当防衛法」というフロリダ州法だった。これは「身の危険を感じたら、公共の場でも殺傷力のある武器使用が認められる」「場所が自宅や社内であれば殺害致死でも逮捕がされず、正当防衛かどうかの立証責任も被害者側に義務づけられる」というものだ
▼法導入いらい、銃による同州での殺人件数は3倍にはねあがったのだ。驚くべきことに法成立に尽力したのは「全米ライフル協会」なのだ。銃の売り上げを伸ばすためロビー活動を通じて成立させたのだ。しかも同様の法が32州で導入されている
▼ロビー活動を通じ米では州議会で法律を作り、そのうえで米国の法律を変えていくことがグローバル企業ですすめられている
▼日本でも同じような構図がある。法人税の減税、規制緩和とそれを通じた公共部門の民営化。国や社会に関係ないグローバル企業は短期に儲けることが至上。米と同じことを繰り返してはならない。

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