いま深く浸透する病。それは癌。じつに二人に一人はかかるものとなっている。しかし、この癌も、先端医療の世界ではどんどん新たな治療法が研究され、かつてのような不治の病ではなくなってきている
▼個人の資質、生活習慣の問題もあるが、じつはもっと深層には食や大気などの影響があるのではないか。たとえば、食物にふくまれる添加物。植物や動物を育てる過程のもの、加工されてからのもの。肺癌はたばこを吸うからだけでなく、もっと細かい大気のなかにふくまれるものが原因も多い。環境が問題だ
▼環境といえば、いまだに収束していないのが福島第１原発の事故。核汚染を大気中や海水に流し続けている。これは　「想定外の」災害でなく、まったくの人災だ
▼安倍政権は企業の責任を曖昧にしながら廃炉や汚染水対策に支援をつぎ込み、放射線基準でも個人ベースに転換し、基準緩和をはかろうとしている。だが、これは被災地の人びとの安全をはかろうとするものでない
▼あるものを直裁に表現するのではなく、別の表現でわかるようにするのが、メタファーということだ、と教わった。たとえば、赤い色は夕焼けで表現する
▼焦熱、極寒といえばわかるだろうか。あるいは阿鼻叫喚。つまり地獄のことだ
▼この世は地獄。それは自然界の環境、私たちを取り巻く社会環境の両者におよんでいる。自然環境を守り、社会環境を変えていくという両者が切実にいま求められる。