純愛とその喪失感を描いた作品として注目をあびたのが「世界の中心で、愛をさけぶ」という映画だった。これをまねたわけではないだろうが、「世界の真ん中で日本という国を咲かそう」などとのたまうのが、わが国の安倍首相。「世界の真ん中で」というフレーズがよっぽど好きとみえて、都知事選挙の応援演説でも絶叫していた
▼2月11日の「建国記念の日」を「誠に意義深い日である」として、「私たちの愛する国、日本を、より美しい、誇りある国にしていく責任を痛感し、決意を新たにしています」などとメッセージを出した。その中身たるや空疎な「愛国心」の押し売り
▼戦後的なものをブルドーザーのように踏み壊し、戦前的なものを再構築しようとする首相は、軍事、教育、文化などの面でこれを全面展開中
▼とうとう国会では「(憲法解釈の)最高責任者は私だ」などと発言。「私たちは選挙で国民の審判をうける。審判をうけるのは内閣法制局長官ではない、私だ」とのたまう
▼この姿勢、保守ですらない。自分を応援、投票してくれなかった人にも、わかるように説明し、落としどころを考えながら施策をすすめるのが本物の保守。審判をうけているから何でもしてよいというのは、どこかの市長がいう、「選挙で白紙委任をうけたのだから何をしてもいい」というのと同じ理屈
▼先にあげた映画は「セカチュー」という
▼わが首相は「ジコチュウ」、別名独裁者とよべばいいか。
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