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コラム
荊冠旗 第2663号/14.04.21
 「いま日本には、「巻き込まれる」という受け身の発想ではなく、日本有事のさいには常にアメリカを「巻き込む」という積極的な発想こそが必要ではないか」。これは、中国との緊張関係を念頭に、石破・自民党幹事長が書いた文章
▼だからこそというべきか、日本がつねに米との会談のときに求めるのが「日米安保条約」をもとにした尖閣諸島問題などで有事のときは米は軍隊を出動させるのかどうか、という点だ。これはオバマ米大統領にも、訪日のときに直接いわせるのだろう
▼たしかに日米安保には共通の危機に対処と書いてある。対象領域は「日本側の施政の下にある領域」と明記されている。だから石破幹事長の指摘はこの限りでは危険な中身だがいいわけはたつ
▼朝日がすっぱ抜いたのが、憲法9条で国際紛争を解決する手段としての戦争放棄という条文の解釈を変えようとする策動。安保法制懇が「国際紛争」を「日本が当事国である国際紛争」と解釈すべし、としようとしている
▼つまり、日本が当事国でない国際紛争には自衛隊を際限なく派兵し、戦闘行為をおこなうことが可能となるのだ。「価値観を同じくする国」と共同で戦争することになる
▼水平社結成時から活躍した米田富さんに「理屈と膏薬はどこにでもつく」と聞いたことがある
▼ここまでの解釈(改釈)が許されるのかどうか。安保を変え、憲法を変えるという正面からの論議回避は民主主義ではない。

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