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コラム
荊冠旗 第2681号/14.09.01
 米ミズリー州ファーガソンでおこった黒人青年、マイケル・ブラウンさん射殺事件。8月9日、白人の警官ともみ合いになり、立ち去ろうとするところを発砲され、頭や右腕に6発も銃弾をうけ路上で死んだ
▼ファーガソンは2万1千人の小さな市。うち63%が黒人、33%が白人。黒人警官は6%だけ。市予算の相当部分を交通罰金と関連予算でまかなう。交通警察の停止命令の86%が黒人にだされ、逮捕者の92%が黒人だった
▼軍が提供した重装備の武器を片手に、白人警官が黒人を見下し、交通罰金をえるため集中的に取り締まる、という傾向が高まってくる
▼1980年には85%が白人だった。だが黒人が増えると「不動産価格の下落」や「治安悪化」を口実に白人は中心部に転出。黒人は周縁部に暮らすという地域分断が加速し、日常生活での交流もなくなる。そして市政の主導権を握るのは白人である
▼米の「ニューヨーク・タイムズ」紙は、今回の抗議行動は「経済、教育、司法での人種で線引きされている不公平な制度が固定化していることへの不満だ」と指摘した。米の「タイム」誌は、たんなる人種差別ではなく階級闘争、全米に同じ構造があると書く
▼時間がたてば皆が忘れ鎮静化するというのが日本では常識。忘却とは忘れ去ることなりと
▼物事を根底的に問い続け、「抑圧は、虐げられたものを強くし、団結する役割しかはたさない」という言葉を現実化しよう。

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