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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

全国大行動ふまえ具体
的な闘いを展開しよう
(2001.10.08-第2039号)

 六月八日の和歌山県交渉を皮切りに、「同和行政発展・継続全国大行動」を実施した。
 今回の全国大行動の目的はは、まず、地方自治体にたいする行政交渉をおこない、「地対財特法」の最終年度にあたり、法の有無にかかわらず、部落差別が現存する限り「同和」行政は推進されなければならない、という行政責任を明確にし、「同和」行政を発展・継続させることであった。

 今回の大行動の成果として、①ほぼ関係都府県で自治体交渉(要請行動)が実施できたこと②大行動を展開するなかで、近年形骸化してきた行政闘争を強化することができたこと③各都府県連の幹部・活動家に行政闘争の現状と課題が明確にできたこと(都府県連での学習会の実施や要求書作りなど)④各自治体に、法の有無にかかわらず、部落差別が現存する限り「同和」行政は、推進されなければならないという行政責任を提起した、ことがあげられる。
 しかし、今回の自治体交渉で明らかになったことは、①部落差別がある限り「同和」行政は必要」いう回答があっても、中味は教育・啓発中心であり②人権行政の概念が明確でなく③具体的なことは、国の動向、各都府県の審議会の答申待ちなどの状況が多くあり④必要施策の継続や一般対策活用事業などの具体的施策の明示がなかったことである。

 この大行動の総括をうけ、各都府県連でつぎのとりくみをおこなう。①毎年必ず自治体交渉を実施すること②各都府県連の指導のもと、必ず市町村交渉を実施する③今回のみの交渉だけでなく、継続して交渉を積み上げる。とりわけ、今回の交渉で、都府県の審議会答申待ちや調査結果待ちの都府県、積み残しのある都府県、再交渉の県などは、早急に日程調整し、積み残しの交渉・再交渉を必ず実施する④「法の有無にかかわらず部落差別が現存する限り『同和』行政は推進されなければならない」という行政責任を再度明確化させた上で、最低、都府県・政令指定都市で六五年の「同対審答申」、九六年の「地対協・意見具申」、「人権教育のための国連10年」、二〇○○年の「人権教育・啓発推進法をふまえた「同和行政基本方針」を二〇〇二年三月までに策定させなければならない。そのさい、都府県の人権条例」や「答申」を最大限活用しよう。すでに「同和行政基本方針」が策定されている都府県は、基本方針を具体化するための「同和行政推進プラン」の策定を求めていくとともに、「同和」行政を重要な柱とした「人権行政基本方針」の策定を要求し、実現させよう⑤要求の根拠となる差別実態を明らかにすることが、まず第一である。実態調査・意識調査、現地視察を全都府県で実現させること。そのさい、ポイントを絞りこむことや、いままである調査を分析してまとめる。都府県の「人権教育10年」の行動計画を活用した調査も可能である⑥実態把握にもとづき、「同和行政推進プラン」および「同和」行政を重要な柱とした「人権行政推進プラン」の策定を要求し、実硯させよう⑦従来の成果である重点施策としての「隣保館」「住宅」「奨学金」「事業委託費」「各種指導員・相談員」などの発展的継続方策の確定⑧「同和」行政としての一般対策事業の位置づけを徹底させ、部落差別撤廃に必要な一般対策活用事業の具体施策の明示を要求し⑨人権行政の主要な柱としての「同和」行政の明確な位置づけにもとづく行政機能の整備をはかる⑩「人権教育・啓発推進法」の基本計画を国よりも先に都府県で策定する。そのさい、都府県の「人権教育国連10年」の行動計画をより豊富化させて、基本計画とすることも可能である⑪条例・宣言制定のとりくみを強化し⑫臨時国会会期中、都府県段階の東京集会を波状的に展開し、政府・政党などへの働きかけをおこなおう。
 各地での「同和」行政発展・継続のとりくみをとおし、中央段階としてもこの第百五十二臨時国会で、「法」後の「同和」行政にかかわる課題についての国会質間や「同和」行政推進のための組織体制の確立、奨学金制度の充実など全力でとりくむ決意を明らかにしておきたい。
 「佳き日」のために、全同盟員のいっそうの奮起を心より訴えるものである。

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