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特別対策終了という歴史的な転機を迎えるなか、八月二十三~二十五日の三日間、奈良県文化会館・国際ホールをメイン会場に部落解放第46回全国青年集会がひらかれる。現在、全国各地で特別対策終了後の解放運動のあり方が議論されているが、解放運動はまちがいなく向かい風の時代に入る。この新たな試練をどう乗り越えるのか、次代を担う青年部に課せられた大きな課題でもある。全国の青年は奈良全青に参加し、これからの運動の展望について踏み込んだ意見交換をおこない、交流を深めよう。2
解放運動は、掛け値なしに真価が問われる時代を迎えた。各都府県連の運動はもとより、各支部ごとに支部員のニーズやアイデンティティーをどこに見いだし、どこに運動の活力を見いだすのか、一つひとつが問われている。青年部にしても、青年はいま何を考え、魅力を感じているのか、運動が部落内外の青年たちを包み込む魅力をもっているのかが問われる。青年部自身も新しい時代の運動を担う自覚と意識改革が迫られている。先般ひらいた全青活でも、青年部の活動のあり方をきっちり議論しょうという確認がおこなわれた。分科会では、運動をめぐる条件が変わっていることをふまえ、いま一度青年部活動の原点に立ちかえって、地域の子どもや高校生とのつながり、青年同士のつながり、運動の柔軟性、幅の広がりを考え直そうという議論がおこなわれた。こうした議論を期待したい。3
いっぼう、私たちを取り巻く政治経済の状況は、危機を深めている。「報復」に名を借りた米国のアフガン戦争を日本政府は無条件かつ全面的に支援し、自衛隊の海外派兵を公然とおこないつつ、有事法の制定に踏み切った。有事法とは、紛れもなく参戦法であり、国民総動員法である。こんな法案が堂どうと国会に提案されること自体が異常ではないのか。いま、私たち青年は、戦争、平和とは何かを真摯に議論しなければならない。4
ところで部落解放運動は、今年で全国水平社創立八〇周年を迎えた。中央本部は、三月に京都で記念集会をひらき、全国水平社の精神を受け継いで、部落解放運動をすすめることを誓った。ふり返れば、この八十年の歴史は、闘いの歴史そのものであった。戦前の激しい弾圧との闘い、戦後の国策樹立運動とその後の行政闘争、そして狭山差別裁判糾弾闘争など、文字通り闘いの連続だった。「解放新聞」購読の申し込み先
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