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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張
全国幹部・活動家研修会の
成功をふまえて
各地でとりくみ実践を

 全国幹部・活動家研修会を七月二十九、三十日、中央・各都府県連の幹部・活動家を結集して滋賀県でひらいた。研修会の内容については、今号から紙上で詳述されるが、部落解放運動をとりまく今日の重要テーマである「第59期運動方針とこれからの部落解放運動」、「狭山再審闘争の現状と今後の課題」、「『同和』行政の発展と人権行政の確立にむけて」、「『人権擁護法案』の問題点と今後のとりくみ課題」について研修と討議を深めた。
 今後、これら研修会の成果を各地でいかに実践するかが問われている。
 「同和対策事業特別措置法」いらい、三十三年間つづいた「同和」行政に関わる「特別措置法」が本年三月三十一日をもって失効し、部落解放運動や「同和」行政のあり方が大きく問われている。
 本研修会は、このように部落解放運動をとりまく情勢が大きく変化しているなかでひらかれたものであるとともに、「人権擁護法案」の抜本的修正を求めるとりくみが緊急の課題として浮上してきた時期にひらかれたものである。研修会を通じて、それぞれのテーマについて一定の方向性や方針が示された。それら確認された方向や方針にもとづいて、強力な地域での実践が求められている。

 とくに、「特別措置法」失効後の「同和」行政を全国各地の地方自治体で再構築することが緊急の課題である。地方自治体によっては「特別措置法」失効が「同和」行政の終結であると大きな誤解をしているところもあり、それらの誤りをただし、「特別措置法」のないもとでも「同和」行政の強力な推進を求めていく必要がある。
 しかし、特別措置の時代が長くつづいたことによって、行政機関で働く多くの職員のなかには、特別措置だけが「同和」行政であると考えている人びとが少なからずいる。
 このように考える人びとは、「同和」行政に関わる「特別措置法」が期限切れを迎えると「同和」行政も終結すると考えている。これは大きな間違いである。

 「特別措置法」が失効したということは、特別措置が原則としてなくなるということだけであり、「同和」行政が終わるのではない。特別措置としての「同和」行政が終わるだけであって、一般施策を活用し、改革し、創設するなかで「同和」行政を展開することは、これからの重要課題である。違いは部落に限定した特別施策が中心か、部落に限定しない一般施策が中心かということである。そのためにも部落差別が現存する限り「同和」行政を展開しなければならないといった強い決意と、多様な政策創造能力が必要なのであり、早急に各地域で強力な行政闘争を展開する必要がある。
 いっぼう、「人権擁護法案」の抜本修正を求めるとりくみでは、①人権委員会の独立性の問題②人権委員会を中央に一つだけしか置かない体制ではなく、実効性のある人権救済をおこなうため、少なくとも都道府県や政令指定都市にも人権委員会を設置する問題③人権委員会の事務局の問題④マスメディアの規制に関する問題⑤人権擁護委員制度の問題など、これまで指摘してきた問題に関して、抜本修正をおこなうために地域、地元で国会議員をはじめとする関係者に強力に働きかけを強めることである。
 これらの二つのとりくみが緊急の課題であることを改めて訴え、強力なとりくみを要請したい。

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