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女性の闘いを強化し、
新たな展望を拓こう

 全国水平社が創立されて、今年で八十年になる。
 今日の運動は、水平社の闘いを原点にしながら「人権の二一世紀」実現に向けとりくみをすすめている。とくに「同和」行政の発展、人権行政の確立に向けたとりくみは、これまでの「部落解放基本法」制定要求国民運動の成果をふまえ、部落解放・人権政策確立の闘いへと大きく発展させていかなければならない。自治体での「人権教育・啓発推進法」の活用をはじめ、国が策定した「基本計画」の不充分性を克服するとりくみや、人権救済制度の確立に向けた「人権擁護法案」の抜本修正の闘いなど、重要な課題が山積している。
 狭山闘争は、再審請求が今年で二十五年になる。弁護団が数多くの新証拠・鑑定書を提出しているが、一度の鑑定人尋問もおこなわれていない。今回の異議申立棄却決定でも事実調べは一度もおこなわれなかった。私たちは、再審開始をかちとるためにも証拠開示のルール化づくりに全力をあげる必要がある。
 さらに、悪質、巧妙化する差別事件・身元調査事件にたいし、徹底した真相究明と差別糾弾闘争を展開しなければならない。

 少子・高齢化時代を迎えた今日、お年寄りや子どもたちが地域のなかで安心して暮していけるまちづくりの創造のためには、相談活動、世話役活動が重要なとりくみとなる。
 「人権と福祉のまちづくり」の実現のために、地域を担い、支えている女性が先頭に立ち、「地域福祉計画」に「部落問題の解決」を位置づけさせなければならない。
 また、母子自立支援大綱をはじめ、年金制度、生活保護制度、医療制度改革など国の施策の動向についても学習を深め、敏感に的確に対応しなければならない。
 さらには、部落差別と同時に女性差別にもしっかりと視点をおいたとりくみが重要である。
 その一つに、「男女共同参画社会基本法」の積極面を活用した、各自治体での被差別部落女性をはじめとしたマイノリティ女性の視点をふまえた「男女平等条例」制定運動を積極的にとりくまなければならない。

 今年三月、「地対財特法」は失効となった。このような状況のもとでひらく全国女性集会は、自主運営をおこなうためにこの間、中央女性対策部で論議を重ねてきた。来年、高知県でひらく第48回全国女性集会は、一月十八、十九日の一泊二日でおこなうことが、八月八日の全国女性対策部長・女性部長会議で確認された。
 女性の闘いを強化するためにも、変革の時代に敏感に対応する運動の展開と組織強化、そして何よりも、次代を担う人材育成をすすめていくことが必要である。
 部落解放運動の闘いを大きく前進させるためにも、女性部の組織強化はもっとも重要な課題である。
 女性部が各級機関の方針決定の場に積極的に参画しうる力量を身につけ、男女平等社会の確立、人権社会の実現に向け、ともに奮闘しよう。


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