pagetop
   

 

 

 

各地域での闘いを基本にし
臨時国会闘争を強化しよう

 「人権擁護法案」の抜本修正をかちとるための臨時国会が、十月十八日に開会される運びとなってきている。今回の臨時国会は、十二月十三日までの五十七日間の会期予定といわれているが、十月二十七日の補選があるため、実質的にはきわめて短い会期になると思われる。しかも、先の通常国会からの継続審議案件が山積するなかで、すでに有事関連法案や「個人情報保護法案」は見送りということがいわれており、「人権擁護法案」の審議もどのようになされていくかは微妙な状況である。
 この状況にたいして、われわれは、「人権擁護法案」の抜本修正を断固としてかちとり、この臨時国会で法制定をめざすという強力なとりくみを展開していく必要がある。「人権擁護法案」は、「不当な差別、虐待、その他の人権を侵害する行為」に苦しむ被害者たちを救済し、差別行為を規制・禁止するために、重要な法案である。十七年におよぶ「部落解放基本法」制定をめざすとりくみのなかから、規制救済法的部分を実現していく法案として位置している。そうであるがゆえに、われわれは一日も早い「真の人権擁護法」の成立を求めているのである。

 「人権擁護法案」は、日本の人権政策の確立にかかわる法制度として、はじめての本格的な法律であり、前例のない新たな枠組みで立ちあげなければならない。したがって、その成立には幾多の困難な条件が存在していることも事実である。
 しかし、どのような困難な条件があろうとも、「人権擁護法案」が創設しようとしている人権委員会は、政府機関からの「独立性」と救済機能での「実効性」が確保されていることが必要不可欠である。ところが、われわれが繰り返し指摘してきたように、現行法案では、これらの点で大きな欠陥をもっており、抜本修正を不可避としているのである。日本の人権の法制度確立に禍根を残してはならないのである。
 このために、われわれは各地域からの「人権擁護法案の抜本修正を求める署名」活動を展開し、臨時国会に向けた闘いを積みあげてきている。
 この署名活動は、ただ単に国会や政府にたいする法問題のとりくみに収斂されるものではなく、「部落問題解決の行政責任」を改めて政府・地方自治体にたいして問い直すとりくみでもあり、「部落問題解決にとって人権擁護法は必要」であり、わけても「地方人権委員会の設置」は地方自治体にとっても強い要望であることを示すとりくみだということを確認しておかなければならない。

 短期決戦になる臨時国会でのとりくみは、集中的な展開が必要とされている。中央段階では、十月三十日の「人権擁護法案の抜本修正を求める中央集会」(日比谷野音)をはじめとして、間断なき闘いを仕掛けていく常駐体制を整えながら、与野党や国会議員にたいするとりくみをおこなうとともに、各界・マスコミにたいするとりくみを強化しなければならない。
 また、地方段階でも、独自の地方集会の開催や「東京集会・国会要請行動」を実施していく体制を整える必要がある。中央・地方段階での強力な闘いによって、臨時国会での「人権擁護法案」の抜本修正にもとづく法制定をかちとっていこう。


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)