えん罪・誤判防止へ
証拠開示のルール化必要とシンポで
「解放新聞」(2002.12.16-2099)
冤罪・誤判はどうしたらなくせるか――司法改革と証拠開示のルール化を考えるシンポジウムが、十二月六日夜、東京の星陵会館でひらかれ、百五十人が参加した。民主主義、人権を考えるうえでえん罪・誤判の問題は見逃せない課題だ。それをなくすためには、代用監獄の廃止、取り調べ過程の可視化、陪審制などとともに、証拠開示がきわめて重要になる。このシンポジウムは、えん罪・再審事件の担当弁護士、日弁連、刑訴法学者、市民のそれぞれの立場からこの問題を考え、今後の行動に移そうとひらかれたもの。
主催は、冤罪・誤判をなくすための証拠開示の公正・公平なルール化を求める会・準備会。呼びかけ人には、この日の集会に参加した、指宿信・立命館大学教授、ルポライターの鎌田慧さん、弁護士の庭山英雄さん、ジャーナリストの増田れい子さんのほかに、弁護士の秋山賢三さん、渡部保夫さんも名を連ねている。
コーディネーターの鎌田慧さんは、このシンポを出発点に、さらに準備会を拡大し、具体的な行動を展開していきたい、とまとめた。
シンポでは、大崎事件、日野町事件、名張事件、袴田事件、狭山事件、松山事件、仙台筋弛緩剤事件、布川事件の各弁護士が、各事件の中身とともに、冤罪を打ち砕き、再審をかちとるうえでも証拠開示がきわめて重要であることを強調した。また指宿教授はカナダ、イギリス、アメリカではえん罪・誤判事件への反省のなかから証拠開示が義務づけられていることを示しながら、日本でも同様の動きが必要、とよびかけた。
増田れい子さんは、市民の立場から、民主主義と人権のためにはえん罪を防ぐこと、そのためには証拠開示が重要と訴えた。庭山英雄さんは司法改革と連動したとりくみをよびかけた。
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