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部落完全解放、水平社会
の実現へ大きな一歩を

 二〇〇三年という新しい年を迎えた。しかし、新たな年を素直には喜べないほど、私たちにとっては課題が山積している。
 国内では、グローバルスタンダードという名のもとに、弱肉強食の市場原理による経済-社会再編がおこなわれ、底の見えないデフレ不況が生み出だされ、失業者が巷にあふれ、社会的な疲弊から自殺者は年間三万人を越えている。そうしたなかで、支配側は有事法制化を着ちゃくとすすめ、今年本格稼働させようとする住基ネットワークによって、社会の隅ずみまで日常的な管理支配をすすめようとしている。閉塞感と退廃感が満ちるなかで、ファシズムの芽が育ち、差別-排外主義が強化されてきている。EU諸国などでもネオナチ復活の動きが急だ。
 また、アメリカによるイラク攻撃準備に、日本政府が派遣したイージス艦が共同行動をとるなど、平和憲法を空洞化させ、戦争を遂行できる国家をめざし、憲法改悪・教育基本法の改悪など、さまざまな策動もおこなわれている。
 私たちは、こうした差別-排外-抑圧強化と対峠して、広範な人びとと連帯し、断固闘いを強化していく必要がある。

 厳しい情勢のなかで、私たちは、部落解放・人権政策の確立のために、「人権擁護法案」にたいして「廃案を求めず! 廃案を恐れず! 徹底して抜本修正を求める!」闘いを展開し、第百五十六通常国会でパリ原則にもとづく独立性・実効性のある人権救済制度を実現しよう。また、狭山事件の特別抗告審の勝利のためにも、証拠開示のルール化を突破口にして闘おう。心を同じくするすべての人びとと連帯し、国内外の反差別共同闘争を強化しよう。そして四月の統一自治体選挙闘争、予想される総選挙闘争に全力をあげよう。
 私たちは、いま、ここにある、さまざまな矛盾、社会的不正義、差別にたいして、一つひとつ、具体的に解決していくなかで、現実の社会システムなどを変革していく方途を見いだしていこう。

 人が人として、一人ひとりが、もてる力を十分に開花させ発揮できる社会、自己実現できる社会こそ、わが同盟綱領にいう「人権が確立された民主社会」なのだ。それは、すべての人びとが平等に横につながった社会、水平社会でもある。
 こうした社会の実現へ、私たち部落解放同明員が先頭に立つこと、そのことが、部落解放=人間解放につながるのだ。
 新しい年を迎え、新たな決意で、今年も部落完全解放へ大きな一歩を踏み出していこう。


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