青年から活動の輪を
手づくりの文化祭で
狭山ペープサート劇など発表
「解放新聞」(2003.01.27-2104)
【鳥取】「石川、お前が善枝ちゃんを殺したんだろう。いいかげん白状したらどうだ」
「――俺はやってねえ」
石川一雄さんや警察官など登場人物に、青年の顔写真が貼ってある。その紙人形があらわれると、会場からどっと笑いが起こる。
『Case of SAYAMA -EPISODE1-』と名付けられたペープサート劇は、狭山事件について知ってもらおうと、鳥取市協議会青年部が手作りで製作した。石川さんの生い立ちや警察官による取り調べのようすなどをわかりやすく表現した劇に、終了後会場からは大きな拍手がまきおこった。
「このつづきは、来年発表予定のエピソード2『どうウソの自白が作られるのか』で――」という最後のアナウンスが次回への興味をひかれ、何とも心憎い。
「時間がなくて、読み合わせの練習ができなかったんですよ。でもみんな本番でがんばってくれた」と脚本を書いた奥田一仁・鳥取市協青年部部長。エピソード6までの構想はもう出来ているという。
「これまでも青年部の先輩が狭山の陪審劇などとりくんでいたし、なにか青年部でとりくもうと思って」
さらに言葉がつづく。「高校生もふくめ、鳥取の青年部はすごくまとまってきている。いま、活動せないけんし、いまなら活動できる」と力強く語ってくれた。
このペープサートは「いかあで! やらあで! 東部地区青年・高校生部落解放文化祭」でおこなった。十二月二十二日、鳥取市解放センターでひらいた文化祭は、今年で五回目となる。模擬店や体験コーナー、展示物、ステージ発表など、青年や高校生による手作りのイベントに百人が訪れ、おおいににぎわった。
テーマ決めて
思い語り合う
東部青年部の出し物として、差別解消への思いを抽選で選ばれた参加者が、サイコロでテーマを決めて会場内のみんなに語るというコーナーがあった。テーマは「心に残っている差別事件」「これからどんな活動をしていきたいか」「自分にとって、活動とは」など。ちなみにこのコーナーの当たり目は「みんなの前で、団結ガンバローができる権利」だった。
青年や高校生、学校の先生など抽選で選ばれた参加者は、「友の会は、生きていく中で勉強できる場所」「青年部は、部落民であることを忘れないために、自分にとって必要な場所」「印象に残った差別事件は、自分の住んでる部落に差別落書が発見されたことかなあ」など、それぞれの思いを語り合い、部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃へ今後もとりくんでいくことを全員で確認しあった。
藤本誠・東部地区青年部長が、「この文化祭は、日ごろの活動を表現しよう、つながりを大切にしようという目的ではじめた」とあいさつした。
穏やかな冬晴れのなか、センター駐車場では、たこ焼きや茶がゆ、おやきなどの飲食店、オリジナル缶バッジなどの露店でにぎわった。センター内では、日ごろの活動のなかで交流のある東部地区各高等学校の部落解放研究会、在日コリアン高校生交流会、ピースバード(反戦平和NGO)などの作品展示、竹細工の実体験コーナー、お絵かきプラバンコーナーなどが、訪れる見物客を楽しませた。
午後二時からはステージ発表にうつり、東部青年部の橋本智洋さんの弾き語りコンサート、東部青年部によるスライドショー「差別・仲間・運動」などをそれぞれ発表した。
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