通常国会で「人権擁護法案」
抜本修正へ全力あげ闘おう
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一月二十日に第百五十六通常国会が開会した。六月十八日までの百五十日間の会期予定である。この国会は、「有事法案」や「個人情報保護法案」など重要法案が目白押しになっているうえに、解散・総選挙がらみの波乱国会になるとの見通しである。
周知のように、「人権擁護法案」は昨年の通常国会・臨時国会と二回にわたって継続審議となり、今国会にもち越されてきている。今国会での審議日程は、現段階では定かではないが、四月の統一自治体選挙後の五月連休明けくらいから実質審議にはいるめではないか、といわれている。
われわれは、昨年の国会闘争の総括をふまえ、今国会での「人権擁護法案」にたいする基本的な闘いのスローガンとして、「廃案を求めず! 廃案を恐れず! 徹底して抜本修正を求める!」ということを確認してきている。この姿勢を堅持し、二月五日の「中央集会」を皮切りにして第百五十六通常国会での本格的な闘いを開始していくことになる。
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繰り返し確認しておかなければならないことは、人権委員会の設置を中心とした人権侵害救済法としての「人権擁護法案」制定の要求は、部落問題解決への政府責任と人権確立への国際的責務からの正当な要求であり、そのための法律・制度を確立していくことは政治の責任だということである。
そして、昨年の二度の国会闘争を通じて、「人権擁護法案」の欠陥と問題点はすでに明らかになってきており、われわれが抜本修正の要として要求してきた「法務省外局からの所管替え」「地方人権委員会の設置」「メディア規制の削除」は、ますますその正当性が世論化してきている。
問題は、この正当な抜本修正への道筋は「法務省の枠組みをはずして人権委員会を立ち上げる」という高度な政治判断にもとづく政治決着以外にありえないということである。
この政治判断を引き出すことができるかどうかということが、今国会闘争の重要なポイントである。そのためには、「人権所掌は法務省」という霞ヶ関の論理をうち破っていくことも必要であり、人権政策に関する総合調整企画機能をもった責任ある政府部署を再確立していくことも重要な課題である。
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このような課題をしっかりと見据えて、今国会での「人権擁護法案」の抜本修正を求める闘いを仕掛けていく必要がある。
具体的なとりくみとして、まず第一に各党・各国会議貞に徹底した要請活動を展開して、小手先の修正ではなく抜本修正の必要性をしっかりと理解してもらうことである。第二に、抜本修正に向けた広範な院外共闘の追求とネットワーク構築をはかりながら、粘り強い闘いができる体制をつくり出すことである。第三に、地方自治体や人権NGOの責任あるかかわり方を明確にしながら「地方人権委員会の設置」を求める各地からの要求を集中していくことである。第四に、国連諸機関との連携を強化して、日本での人権委員会設置に関する情報提供をしつつ、国際的な批判的監視体制を整えていくとりくみを強化することである。抜本修正に向け、退路なき不退転の国会闘争を推しすすめていこう。
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