競艇場で差別落書
陰湿・匿名の事件が多発
「解放新聞」(2003.02.10-2106)

　【香川支局】丸亀市競艇場第６投票所東側の男子トイレ内で十月八日、鉛筆で「丸亀ボート三ツ四ツエタレース」と書いた差別落書が発見された。
　昨年四月から県連が把握しているだけでも実に八回目。岡本俊晃・県連書記長は「県連が把握しているのは氷山の一角にすぎないとみるのが当然。陰湿かつ匿名性を利用した差別が多発しているということは人の心のなかには部落差別意識がまだまだ根強い」と語った。
　この差別落書は十月八日、午後三時十分ごろ、トイレ清掃をしていた従業員が発見した。従業員は主任に連絡し、同主任が警備サービス担当に連絡。三時三十七分、競艇事業部課長から丸亀市人権課課長へ連絡が入り、直後、本多治・丸亀市連絡協議会事務局長に連絡が入った。
　午後四時五分、丸亀市協から四人、丸亀市人権課から二人、競艇事業部から三人の計九人が立ちあって事実確認と写真記録。四時十分ごろ消去した。
　トイレットペーパーとりかえの午後二時三十分ごろには差別落書はなかったため、約四十分間に何者かが書いたことになるが、レース開催中であったことからいまだ犯人は特定されていない。
　行政側は「またもや差別落書犯の特定の難しさを浮き彫りとさせ、法的規制部分の重要性を実感した」と苦渋の表情を浮かべた。