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同対課職員が差別メール
「ストレスと偏見で」と
第1回確認会 動機や背景など明らかに
「解放新聞」(2003.02.24-2108)

 

 【和歌山支局】和歌山市人権担当課職員による差別メール事件の第1回確認会を十二月十一日、勤労福祉会館でひらき、同盟員など三百人が参加した。メールを発信したAをはじめ、県、和歌山市、打田町の行政関係者など二十人が出席、Aは、子どものころから偏見や差別意識をもっていたことと仕事上のストレスが重なった、と動機を語った。

 確認会でAは、メールの内容と、自宅で自分のパソコンから送信したことを認め謝罪。動機について、「同対課に配属されたが、課の人に村八分にされていると思った。また、小学校のとき先生からいじめられたことが重なった」とのべた。
 そのことがなぜ「部落を抹殺せよ」に結びつくのか、と問うと、Aは「用地買収のとき、地権者から無理難題をいわれ、おどされた。また、中学のとき、おじさんに同和地区の手前で『ここから息を止めておけ』といわれ、近所の人にも『部落は怖いところ』と教えられた」と、部落にたいする偏見や差別意識をもっていたことを認めた。
 勤務先の和歌山市ではなく、生まれ育った打田町にメールを打ったことについてAは、「小学校のときにいじめられた先生が、同和地区出身者だった。その先生が町の広報誌にえらそうな文章を書き、町の役職についていたことに腹が立った」と、仕返しのつもりだったことを認めた。
 問題の教員が部落出身と知って、よけいに腹が立ったのではないか、との問いは否定したが、潜在的に差別意識があったことを認めた。抹殺せよとの意識になったのは、「地区の人がいなくなったら同対事業もなくなる」と考えたのでは、との追及も否定したが、行政との事実確認では認めていたこともわかった。
 行政にたいする事実確認では、藤永知宏・打田町助役が「まずメール発信者の特定をと思い、県連への連絡が遅れた」とのべ、「同和」教育のあり方を考え直していく、とのべた。
 二月二十八日に報告を受けた県の坊邦雄・人権室長は、「発信者が特定されてから、四月二日に県連に報告した。結果的に遅れ、信頼関係を損ねたことをおわびする」とのべ、和歌山市の中野圭郎・市民部長は、「四月九日に県から連絡を受け、本人に確認した。九回聞き取り調査をしたが、本人が精神的に不安定になり長期間休んだため、きょうまで話し合いが遅れた」と説明した。

事件の概要
 問題のメールは、昨年二月四日、打田町総務課のホームページに「打田町に住んでいる同和地区住民(エタ、ヒニン)は抹殺せよ。○○、○○○○、○○、(具体的な地区名)同和地区以外に住んでいるエタ、ヒニンも抹殺し絞首刑にせよ 打田町長殿」と送られたもの。
 当日朝、電算係が発見し、弁護士などに相談。プロバイダに問い合わせ、三月二十七日に発信者を特定した。その後の調査でAと判明した。

 


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