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抜本修正へ要請
人権擁護法
案民主党と懇談し
「解放新聞」(2003.03.03-2109)

 

 昨年末の臨時国会で再継続審議となった「人権擁護法案」を実効性あるものとするために、今国会でのとりくみの強化が求められている。二月十八日昼、民主党は国会でのとりくみ強化のために「人権擁護法案」に関する懇談会をおこない、枝野幸男・政調会長、野田佳彦・国対委員長、中野寛成・部落解放推進委員長らが参加した。
 このほか朝日俊弘・参院政調会長、樽床伸二・国対委員長代理、千葉景子・ネクストキャビネット大臣、石毛瑛子・同大臣、江田五月・ワーキングチーム座長、福山哲郎・同事務局長、北橋健治・部落解放推進委員会事務局長、松本龍・衆議院議員(推進委副委員長)、らが出席、今後の法案成立に向けたとりくみについて意見交換をした。同盟からは、組坂委員長、谷元書記次長が出席、「人権擁護法案」の抜本修正に向けた野党協力と、与野党協議にとりくむことを要請した。
 席上、中野委員長は、いまの法案では本当の「人権擁護法案」とはいえない。解放同盟は抜本修正を求め、粘り強い闘いをすすめてきた。民主党の新体制のもとで、あらためてこれまでの経緯と理解をふまえながらとりくみを強化していきたい、とのべた。

「人権擁護法案」の抜本修正のとりくみを民主党に要請

 組坂委員長は、この法案には、国連人権高等弁務官が二回にもわたって内容に懸念を表明してきた。国会質疑でも現行の法案は、法務省が国際的な人権状況を意図的に無視し、省益拡大のために作成したものであることが明らかになっている、と批判。韓国やタイ、南アフリカ、オーストラリアなどの人権委員会を例にあげ、当事者の声が反映するものにしなければならないと強調した。また、廃案は求めていないが恐れてはいない。後世の批判に耐えうる法律を成立させたい、と決意をのべた。
 谷元書記次長が、パリ原則をふまえての独立性や実効性、地方人権委員会の設置の必要などを具体的に指摘した。さらに、小手先の修正では前にすすまない。人権委員会の法務省所管は刑務所での一連の不祥事がでて、国民的にも納得は得られないが、法務省の姿勢も固い。野党の結集と与野党協議によって、これを突破することが必要だとのべ、理解を求めた。
 野田・国対委員長は、さまざまな人権侵害の事例を具体的にとりあげながら、抜本修正のとりくみを模索したい。たいへん重大な問題としてとりくみたいとのべ、国対と政調との連携強化を確認した。


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