絵本でムラを語る
制作者から話聞き
原画展とシンポジウムで
「解放新聞」(2003.03.10-2110)
「ムラを語り継ぐ絵本の世界-原画展とシンポジウムでムラと出会おう」が、二月二十二日、大阪・人権センターでひらかれ、十府県百二十人が参加した。これは、子どもが初めて出会う芸術作品である「絵本」のなかで、ムラの思いを再確認したい、という願いをこめて制作された絵本の関係者から話を聞くことと、すばらしい原画をみてほしい、という思いをこめておこなわれたもの。
展示された原画は、この間、商業ベースにのって販売されているムラを描いた絵本、「おたまさんのおかいさん」(長谷川義史・絵)、 「ゆびきりげんまん うめばあちゃんのはなし」(岡島礼子・絵)、「いのちの花」(丸木俊・絵)、「きつねのぼんおどり」(宇野亜善良・画)の四点。参加者は、くいいるようにそれぞれの原画を見つめていた。
シンポジウムでは、絵本の読み聞かせがスライドを使いながらおこなわれたり、絵本制作の秘話も語られた。
「おたまさん」を制作した大阪の日之出支部では、ムラの歴史・文化を掘り起こしながら、関係者にさまざまな話を開くなかで、絵本のストーリーを作り上げていった過程が語られた。また、「ゆびきりげんまん」を制作した大阪の高槻富田支部では、多くの人に出会い、詰を開くなかで、思いっきり明るくムラを描きたかった、と動機と制作過程をのべた。「いのちの花」は福岡の松原五人衆を描いた作品で、ふつふつと自分のなかから書きたくなった、と紹介された。
いずれの作品も、最初は、あれもこれもと、さまざまな言葉、題材を入れようとするなかで、それを切りそぎ、切り落とすなかから、精選され、磨きあげられ文章が完成した。そこに画家のすばらしい、躍動的な絵が合体。
「おたまさん」のなかで描かれた山中多美男さん(全国解放保育連絡会顧問)は、おたまさん=祖母の思い出を語りながら、絵本をみるたびにあふれ出てくる感情についてものべた。また、大賀正行さんも子どもと絵本の出会いの大切さ、文化の重要性を閉会あいさつでふれた。
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