日常不断のとりくみ強化を
岡真理さん招き講演も
天皇の戦争責任を問う
「解放新聞」(2003.05.12-2119)
【京都】「天皇の戦争責任を問い続ける4・29京都集会」を4月29日午後、京都府部落解放センターでひらき京都大学大学院人間・環境学研究科教員の岡真理さんが、「これは″私たちの″死である イラク、アフガニスタン、パレスチナ―私たちは何者の視点から世界を見るのか?」をテーマに講演、市民や労組、部落解放同盟員ら200人が参加した。
主催は天皇制の強化を許さない京都実行委で、毎年ひらいているもの。代表世話人で京都府連の大野昭則・委員長が主催者を代表してあいさつし、毎日、人びとが殺され、血を流している。戦争は人を殺すものであり、権力が「戦争」と名をつければ、人殺しも「正義」となる。そのことを人間の生きざまからとらえ返す必要性を強調、日常不断のとりくみをさらに強めよう、とよびかけた。
タブルスタンダード
が戦争を支える
岡真理さんは、ブッシュは戦争犯罪人であり、国際法廷で裁くのは当然としつつ、侵略される人びとの生活に思いを重ねず、一般的抽象的に反戦平和を叫び、人間一人ひとりでなく人類の視点でみわたすことこそがブッシュによる大量殺りくを可能にしているのではないか、と私たちの日常生活の視点がどれだけブッシュと違うのか、を問いかけた。
私たちが個別具体的な生を想像できないとき、殺りくの必要条件を私たちは満たしているということで、それがいま、武力攻撃で現実化したということ。
また、「暴力の連鎖」とよくいわれるが、けっして同じ暴力ではなく、パレスチナ人が自爆すると「テロ」とよばれ、イスラエルがしてきたことは「国家テロ」とはよばれない。「暴力の連鎖」とひとくくりにして語られることで、そこに生きる人びとの「絶望」やその背景が隠され、テロを口実にした過剰報復を支えていく。
戦争反対といいながら、殺されていっている一人ひとりの人間の生活への無関心、というダブル・スタンダードが、戦争の必要条件を満たしており、このダブル・スタンダードこそが日本の有事法制も可能にするもの、と指摘した。
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