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全国大会の成功ふまえ
各地で方針の実願化を
「解放新聞」(2003.05.26-2121)

 

 5月9、10日に東京でひらいた第60回全国大会は、転換期にある部落解放運動の新たな基本方向を確認・決定して、成功裡のうちに終えた。
 運動方針の基調として、部落解放運動のこれからの基本方向(戦略的課題)として「6つの課題」が決定された。第1の課題は、「人権擁護法案」の抜本修正や新「同和」行政・人権行政の確立のとりくみをはじめとする「部落解放・人権政策の確立」の課題である。第2は、校区・行政区を中心に特色ある地域性を生かした「人権のまちづくり運動」を推進する課題である。第3は、狭山差別裁判をはじめとする「差別糾弾」を強化するとりくみ課題である。第4は、生活圏域で国際人権基準を具体化する「世界の水平運動」を推進するとりくみ課題である。第5は、複合差別の視点を深めつつ「男女共同参画社会の実現」を推進するとりくみ課題である。第6は、自立・自闘に向けた「人材育成・組織改革・財政確立」を断行するとりくみ課題である。
 同時に、昨年来検討してきた人権政策検討部会の「3部会報告」も今後の基本方針として決定された。すなわち、「新同和行政推進施策基本方針」「人権の法制度確立基本方針」「人権のまちづくり運動推進基本方針」である。
 これらの方針に示された部落解放運動の新たな基本方向を受けて、各都府県連・地協・支部は責任をもって、各地域での特色や独自性を生かしながら具体化・実践化をはかっていかなければならない。

 全国大会では、さらにもう一つ重要な決定があった。年内にも予想される衆議院解散・総選挙で松本龍副委員長の福岡1区での5選必勝をかちとるとともに、来年の7月におこなわれる参議院選挙に松岡徹書記長を推し出すことを決定したことである。松本治一郎、松本英一という大先輩以降、長年空白にしてきた参議院の「解放の議席」を回復させるということで、ここ数年来議論してきたことをふまえて、組坂委員長の勇断にもとづく提案が満場一致で採択されたものである。
 中央本部では、松本副委員長、松岡書記長の国政選挙闘争の体制を早急に立ち上げ、差別撤廃・人権確立に向けての揺るぎない国政の場を確保するとともに、部落解放運動の統一と団結の底力を内外に示していくために、周到なとりくみ準備をただちに開始していく。全国のすべての同盟員・きょうだいや反差別、人権確立を求める多くの仲間の力によって、松本・松岡の衆参必勝の実現を期したい。いまから同盟員一人ひとりが積極的で自発的なとりくみを開始するよう訴えるものである。

 今回の全国大会での議論は、新たな部落解放運動の基本方向を具体的に実践していくために何をなすべきかという積極的な意見が続出してきたことが特徴であり、「人権のまちづくり運動」などの新たなとりくみ課題が着実に浸透してきているといえる。
 同時に、時代の転換期にあって新国権主義や反人権主義の危険な潮流の台頭とも対峙しながら、新たな解放理論・運動論の構築を急ぐべきことも提案された。これらの課程については、中央理論委員会を再開して2年間の討議期間を設けて議論し、05年に「部落解放同盟基本文書」および「部落解放・人権政策総合大綱」としてまとめていくことが決定されている。05年は、部落解放同盟への改称50年の節目の年でもある。
 さらに、「大胆な組織改革・財源確立・人材育成の組織建設の闘い」も重視され、今秋には「全国組織強化網の目オルグ行動」を展開することも決定された。
 部落解放運動の将来を決するような重要な決定がなされた第60回全国大会の方針を同盟員一人ひとりがしっかりと血肉化して、具体的な実践を通じて部落解放への大道を突きすすもう。


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