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差別ない世を願い
差別戒名供養で法会
高野山真言宗
「解放新聞」(2003.06.02-2122)

 

 【和歌山】高野山真言宗が「萬民平等差別戒名追善法会(ほうえ)」を5月7日、高野山大伽藍金堂でおこない、差別戒名を供養した。部落解放同盟からは和歌山県連が参列した。
 真田有範・高野山真言宗宗務総長があいさつにたち、「本年で24回目。御霊は現世で差別に苦しんだのにもかかわらず死んでからも差別戒名によって苦しんでいる。この世から一日も早く差別のなくなることを願いこの法会をひらいた。いわれ無き差別が現存しているのはれっきとした事実。人権の創造こそ本寺の務め。これからも人権創造に努めることを誓う」と決意を語った。
 来ひんあいさつで、同宗連副議長教団・世界救世教いづのめ教団の山根憲次・事務局長は、「歴史的、宗教的同じ土壌から生まれた教団という意味では、差別戒名の問題は日本の宗教界全体の問題だと受け止めている。部落差別は過去の問題ではなく一人ひとりに投げかけられた課題。もし開祖、宗祖がこの世にいたならば、この状況をどのように受け止めるのか。熱い思いがわき上がる。同宗連は22年前、開祖、宗祖の教えに立ち返り、部落差別の解決無くしてもはや宗教者たり得ないと連帯した。部落差別解消への努力を誓う」と決意をのべた。
 部落解放同盟和歌山県連事務局の松田康子さんは、「昨年から今年にかけて、行政職員の差別メール事件など多くの差別事件が発生している。日常や教育現場でおこなわれる差別はまるでゲーム感覚でおこなわれている。これまでの多くのとりくみで差別は一定解消されたと思っていたが、これら差別が頻発している状況をみると全国水平社創立の時代に逆行したのかと思う。差別戒名はじめ差別解消、人権確立へ向けて、宗教者という社会的立場でとりくんでもらいたい」と語った。


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