全国各地に差別文書
都道府県連や中央本部に
「えたは人間ではないから人権もない」
「解放新聞」(2003.06.09-2123)

　【高知支局】高知県連に５月12日、住所、差出人名なしの悪意と憎しみに満ちた差別文書やハガキが届いた。この差別文書は５月10日にSHIBUYA（東京都・渋谷）局で投函された封書で、同じものが５月20日現在で中央本部やほぼ全都府県連にも送達されていることがわかっている。

悪意と憎しみに満ち

　内容は、「えたは人間ではないから人権もない、殺しても犯罪にならない」の表現から始まり、２枚の紙面で約1100字。なかで
も「えた」の文字が、17か所にもおよぶ。たとえば「えたは読み書きが必要ではない」「えたをたくさん殺すと国から賞がもらえる。どんな殺し方がいいか？　サリン、マスタードガスそれとも集団リンチ……などもいいぞ」「えたは共産主義者、在日朝鮮・韓国人、創価学会員と共に日本の生ゴミ。人間ではないから（殺しても）、刑法199条の殺人罪にはならない」など。
　そのほかにも、「えたは全国三〇〇万人、集団自決してくれ」「部落の生活改善だとか生意気なことを言いやがって、国民の貴重な税金をいくら使ってきたというんだ」「松本治一郎だとか上杉佐一郎だとか日本えた史に残るバカどもが……」「解放同盟というのは山口組などの暴力団と同じ」など。誹譲、中傷や部落差別を強調する「確信犯」であることが十分にうかがえる。
　高知県連は13日、高知県人権課にこの事実を報告し、対応を要請した。