教授選考に差別文書
部落問題利用し誹謗中傷
文書の送信者は真相を語らず
「解放新聞」(2003.06.16-2124)
【大阪支局】昨年7月から10月にかけて、大阪歯科大学で教授選考会にかかわり、教授候補者らを部落問題を利用してファクシミリで誹諌中傷する手紙がばらまかれるという差別事件が発生した。内容は「生家が肉屋のAを(教授に)推薦するのはやめてぇ-」などと悪質なもの。その後の調査でファックス送信者が判明したものの、送信者は真相を語ろうとはせず、府連では今月16日午後から糾弾会をひらき、真相を明らかにする。
3度にわたり妨害
大阪歯科大学の教授選考が控えていた昨年7月11日、数人の教授宛にA候補者を誹諌中傷する文書がファクシミリで送信された。教授会は公正な選考ができないと判断、教授会の延期を決定するとともに、ファクシミリ発信者の番号が記載されていたため、大学として調査にのりだした。
その後9月20日、「大阪歯科大学Bは教授選考委員会の先延ばし作戦のため、同和問題をでっちあげた。大袈裟に騒ぎ、都合のいい様に利用した。平成13年7月11日のことである」という文書が各団体にファクシミリで送信されてくる。この時点で府連に情報がよせられる。
さらにA候補者が臨時教授会で教授に選出された後の10月20日、「Bは、教授会の引き延ばしの手段として、数名の教授のもとに、 ″某候補者の生家は肉屋である″という内容の文書を送りつけた。また、その文書を多数コピーして学内に配布し、大袈裟に騒ぎたてた。結果、その内容は大勢の知るところとなり、某候補者は深く傷ついた。Bの行為は断じて許すことはできない」という文書が送付される。
行為をなすりつけ
文章の内容から、①大学の教授選考会にかかわり、部落問題を利用して教授会を混乱させようとした②行為者が大学のBであるかのようにでっちあげていることが判明③7月に送られてきたファクシミリ文書の受信記録を調べたところ、専任教員として長年大学に勤務し、事件当時は大学を退職し歯科医師として開業しているC宅からファクシミリが送信されていたことが大学と府連の調査で判明した。
当初Cは大学の事情聴取で、自宅のファックス番号であることは認めるが、発信者は自分ではなく別の者がやった行為だと主張していたものの、その後一転「自分がやったということでよい」とあいまいな発言をくり返していた。
府連は大学関係者らの立ち会いのもと、Cから事情聴取。そのなかで、Cは自分がやった行為と認めるものの「なぜそのような行為をしたのか自分でもわからない」「部落と肉屋については何もわからない」「生家が肉屋というのは噂で知った」「学内対立があったことは知っているが、自分に利害はない」と不可解な説明をくり返しており、事件の全体像は明らかになっていない。
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