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現状と方向を確認
狭山再審へ熊本で集会
「解放新聞」(2003.06.23-2125)

 

 【熊本】「石川さん不当逮捕40か年糾弾! 狭山再審要求・特別抗告審闘争勝利5・29能本県民集会」を、5月29日午後6時から市内の能本テルサで部落解放熊本県民共闘会議(議長・河瀬和典・県連合会長)が主催し、県内各地から500人が参加した。
 集会では、狭山再審弁護団の中山武敏・事務局長が「部落差別と狭山事件――狭山再審闘争の現状と課題」を講演した。参加者は、中山事務局長の講演に聞き入りながら、あらためて狭山事件と部落差別の関係、特別抗告審段階での新証拠と証拠開示のルール化の重要性を確認し、新たな決意を固めた。また、集会のはじめには「くまもと『狭山事件』を考える住民の会」が活動報告をし、住民の会への参加をよびかけた。
 主催者を代表して松永政利・副議長(県連委員長)があいさつし、「現地を歩いた。どうしても石川さんが犯人だとは)納得いかなかった。もう一度、部落差別と狭山事件の関係を学習し、再審闘争にとりくんでいこう」と訴えた。

証拠開示すれば無実は明らかに
狭山再審を求める熊本集会

 狭山再審を求める5・29熊本県民集会で中山武敏・弁護士は、再審段階での証拠提出について「脅迫状は、石川さんの自白をはなれても有罪を示すものとされていたのでここに集中して反論した」とのべた。
 また、証拠開示の重要性にふれ、身代金を取りに来た現場から採取した足跡と石川さん宅から押収された地下足袋が一致しないこと、地下足袋の足跡は証拠としても問題であることを立体写真を使って明らかにしたことを示し、石川さんが取り調べ中にスライドで足跡写真を見せられていることを証言しており、開示されれば石川さんの無実が明らかになるとのべた。
 証拠開示をしない検察庁については、「国連の勧告を重く受け止めているといいながら、証拠開示をしていない。証拠開示には法的根拠がないのが現実。証拠開示に新たなルールをつくっていくことが大事だ」とのべ、「少なくとも先進国なみ程度にはなるべきだ」と日本の刑事司法制度の遅れを指摘した。最後に「一人のやる気は大きな力を発揮することができる。もう一度大きなうねりをつくりだそう」とよびかけた。
 「くまもと『狭山事件』を考える住民の会」の今村哲雄・事務局長は、狭山事件を報道したビデオを見る会がきっかけでこの会が発足した。定期的な学習会をしてきた。2000年からは、街角に立ってビラまきを始めた。もっと知ってもらうために、毎月23日に市内の辛島公園で座り込みをするようになった。今月からは機関誌を発行するようになった。この事件は、遠い狭山の地の問題ではなく、自分と狭山の関係であることの大事さに気づかされた。『狭山』は、自分のなかにあり、学校や職場のなかにあると考えて欲しい、石川さんが無罪になるまで闘う、と報告した。


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