NHKと最終的話し合い
プロジェクトX問題で
「解放新聞」(2003.08.25-2133)

　NHKのプロジェクトX「東京ドーム・奇跡のエアー作戦」のなかで、「士農工商、テント屋」という発言がそのまま放映された問
題で、中央本部はNHKと話し合いをつづけてきた。７月25日午後、「NHKの放送番組における差別表現について」という日本放送協会理事・編成局長の出田幸彦名の文書をもとに、最終的な話し合いを東京・中央本部でもった。
　中央本部からは組坂委員長、吉田財務委員長、松岡書記長、谷元書記次長、北口中執が、NHKからは出田編成局長（理事）、望月雅文・番組制作局担当局長、永田浩三・番組制作局部長が出席した。
　出田編成局長が経過と問題点、今後の方向を示した。組坂委員長は、この間のとりくみも含め、基本的に了とし、事件が起きたからという受け身の姿勢ではなく、積極的なとりくみを、もう一歩踏みだすことが重要、とのべた。
　松岡書記長は、こうして文書で問題点、課題、方向をまとめた点は評価する、と語った。しかし、これまでともに担ってきたものが風化したのでは、と率直な感想を当初はもった、風化でないことを証明するとりくみを▽「言葉狩り」のレベルではなく、さげすみを受けたことを表現するのに部落差別を利用したもので、そういう差別社会があることをどう見るのか▽誰に向かってとりくみをするのか、それは社会でないといけない、と要請した。
　これにたいし出田編成局長は、指摘を重く受けとめたい▽ある言葉を使っていいのかどうかにだけ走るようにならないようにしたい▽社会にたいする放送の役割、人材育成も含め、さまざまな番組の実現へ努力したい、と決意を語った。