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読売新聞社が謝罪
ネット差別書きこみ事件で
「解放新聞」(2003.09.01-2134)

 

 【兵庫】読売新聞記者による高砂市インターネット掲示板差別書きこみ事件の第1回糾弾会を7月25日午後、兵庫人権会館でおこない、読売新聞社があらためて謝罪、新聞社としての人権研修の空洞化や推進体制の再確立などの課題を示し、差別書きこみをした記者自身の部落との出会いなどを文書にすること。メディアとして差別撤廃に向けはたす社会的責務を明らかにすることなどを求め、次回の話し合いまでに文書化することとした。
 事件は、2002年7月29日、兵庫県高砂市のインターネット掲示板に「○○○○(実在の市会議員名)、ええかっこすんな! 部落民のくせに、○中にえらい圧力かけやがって。ぼけ!(○中職員より)」の書きこみがおこなわれ、翌日、2回にわたって、この書きこみを引用し、さらに、「そうなんだ。どんな圧力だろう。体罰事件と関係あるのか。当該の議員はずいぶん、評判悪いよね。」と書きこまれていたもの。
 7月30日に市職員が発見、当該市会議員に連絡をとり、発信者開示請求をおこない、翌日の書きこみを読売新聞社の記者がしていたことがわかった。
 02年9月、10月、11月、03年1月と、部落解放同盟高砂市連絡協議会と読売新聞社との話し合いをおこない、事実確認や問題点の指摘などをおこない、03年7月25日の第1回糾弾会を中央本部も出席してひらいた。
 中央本部からは、岸田副委員長(県連副委員長)、辻本中執、赤井中執、池田中執(県連書記次長)が、県連からは前田栄一・委員長代行、赤松賢宥・副委員長、原田末治・統制委員長、金田頼一・書記次長ら30人が出席。読売新聞社からは恒川敏明・総務局次長ら7人が出席した。
 冒頭、前田県連委員長代行が「非人間的行為を払拭するため、ともに学びあう機会」、赤井中執が「重大な事件であり、意見交換し、つぎへのステップに」とあいさつ。恒川総務局次長が、「あらためて謝罪したい。人権を守るべき報道機関として、あってはならないこと。個人個人の差別問題への意識の高まりをどう教育していくか。ご指導をあおぎ、着実にとりくみたい」と、読売新聞社の姿勢を明らかにした。
 読売新聞社から、これまでのとりくみを報告、02年9月6日付で、インターネット上の掲示板に不法、不適切な書きこみを禁止することを全社員に通達した。人権講演会を実施。冊子500部を作成。フィールドワークを検討中など。
 「人権教育!啓発法」でのメディアとしての社会的責任についても、「根本的に大事なこと」とし、インターネット上の差別書きこみについても、特集や連載で啓発にとりくみたい。「人権擁護法案」の抜本修正でもほぼ同じ考えをもつことを表明した。
 部落解放同盟からは、名指しされた被害者の名誉回復と救済。差別書きこみをした記者が学習にとりくんでいるというが、社としての教育責任が不明確。記者個人のとりくみに帰着しているように思える。推進体制を再構築する必要。記者本人の部落問題との出会いなどの文書化を求めた。
 読売新聞社からは、推進体制をもっときめこまかいものとし期待にこたえたい。研修の空洞化については、実効あるものとするため検討する。2度と差別事件を引き起こさないとの思いでとりくみ、一歩でも二歩でも前進したい、と表明。次回の話し合いをもつことを確認した。


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