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シンポと現地調査11月に
鈴鹿山系の周縁の民を探る
大学同研

「解放新聞」(2003.10.06-2139)

 

 全国大学同和教育研究協議会が主催する「三重県鈴鹿地方におけるシンポジウムと現地調査―鈴鹿山系における周縁の民事」が11月8、9日、三重県鈴鹿市のホテルグリーンパーク鈴鹿でひらかれる。
 これは、同協議会が「部落差別の歴史と現状」を研究テーマに、93年以来毎年おこなっている現地調査とシンポジウム。今回は、鈴鹿山系の周縁の民の歴史と民俗調査で、シンポジウムのほかに、初春の門付芸である伊勢万歳の鑑賞や三重県鈴鹿市の被差別部落(一ノ宮地区)、滋賀県永源寺町の木地師の里などを視察する。
 8日は、シンポジウム「鈴鹿山系における周縁の民――山の文化をめぐって――」は、赤坂憲雄・東北芸術工科大学教授、沖浦和光・桃山学院大学名誉教授、寺木伸明・桃山学院大学教授、鈴鹿市教育委員会事務局の田中仁さんをバネリストに、鈴鹿山系の周縁の民の歴史を探る。村田社中による伊勢万歳の実演もおこない、近世万歳の古態をしのぶ。このほか、「陰陽道・修験道と遊芸民――日本文化の地下水脈――」と題して沖浦和光・桃山学院大学名誉教授が、「初期柳田学と被差別民――山の民の精神史」と題して赤坂憲雄・東北芸術工科大学教授がそれぞれ報告する。
 9日は、フィールドワークで、ホテルを出発し、鈴鹿市内の被差別部落(一宮地区)、近世そのままの姿を残す関宿(東海道五十三次のひとつ)、滋賀県永源寺町の小椋谷にある「木地師発祥の地」の大皇器地租神社、政所・君ケ畑などをめぐる。
 三重県と滋賀県の県境にある鈴鹿山脈は、古来から東西交通の要衝だった。東海道がとおる鈴鹿峠は、箱根につぐ難所として知られ馬子歌にも歌われていた。熊野三山に連なるので、熊野信仰に発した修験道の流れが伊勢から美濃にかけて伝わり、その山麓には修験道・密教・陰陽道が習合した民俗が残る。山の漂泊民サンカも散在し、その一部は山中にある被差別部落の周辺に定住した。

 申し込みは、全国大学同和教育研究協議会(担当・加藤)枚方市中宮東之町16-1 関西外国語大学人権教育思想研究所気付 TEL&フアクシミリ 072・805・2874(直)072・805・2801まで。申込書を送ってもらい、必要事項を記入し送付する。
 *参加費は、シンポジウム3000円、交流会5000円、フィールドワーク7000円。参加費は振り込みで。なお、フィールドワークは細い山道のためマイクロバスに乗り、マイクロバスの定員は60人なのでかならず事前申し込みをする。
 *宿泊は、「ホテルグリーンパーク鈴鹿」に各自申し込む。〒510-0241 三重県鈴鹿市白子駅前14-26 TEL 0593・87・1818 ファクシミリ 0593・87・1895まで。

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