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3年間に13回差別投書
事件の教材化も求める
四国学院大学生への差別投書事件で総括

「解放新聞」(2003.11.03-2143)

 

 【香川支局】3年余りにわたり、差別メール、差別文書が送られつづけた差別事象「四国学院大学学生への差別投書事件」の総括会議を8月8日、四国学院大学でひらいた。会議には、県連から岡本俊晃・書記長ら3人と学院側から理事長ら7人、被害学生のT君、T君の地元支部から2人が出席した。

 総括会議は、被害学生T君の卒業にともなっておこなわれたもので、①特別委員会の設置が遅れたこと②T君へのきめ細かなフォローがかならずしも十分ではなかった③議論や対応策、活動を大学構成員に十分に伝えきれなかった、などの反省点がだされた。
 今後の方針としては、①特別推薦入学選考制度のあり方を再度総点検し、その趣旨を全学的に徹底する②人権四委員会(部落問題、被差別少数者、身体障害者、ジェンダーとセクシュアリティに関する人権問題の各委員会)の連携をはかる③人権週間、マイノリティー・ウイークの全学的位置づけと、内容の充実④教職員・学生への啓発活動のいっそうの充実を図る、とした。
 岡本書記長は「成果は、当初の最大目的であったT君の卒業が実現したこと。また学院内外でとりくみが展開されたことも大きな成果だ。反面、課題も多い。今回の総括会議はあくまでも節目。この事象の上に立てるようなとりくみとして、この事象を教材化するなどの具体策も模索してもらいたい」と、まとめた。
 T君は、「後輩が第二の自分にならないように学院の体制や全学的啓発などを強化してもらいたい」とのべた。

《四国学院大学学生T君への差別投書事件》
 同学院大学にかようT君へ、2000年1月2日(当時1年生)を始まりに12回の差別投書と1回の差別ショートメールの計13回、3年間にわたって不定期的にT君の自宅へ送られてきた事件。
 差別文書は、「よつ エタ部落民 大学から姿、存在をけせ この世から消えろ/死ね死ね」などの内容。12回目の差別投書のさいには、「消エロ 4エタ ブラク バカ 早ク死ネ」という差別文書とともに、長さ10センチの刃物まで同封され部落差別を利用した脅迫事件となった。

 


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