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韓統連結成30年を祝う
軍事独裁の弾圧もくぐり

「解放新聞」(2003.11.17-2145)

 

片岡中執も連帯をのベ

 在日韓国民主統一連合(韓統連・郭東儀〈カク・トンイ〉議長)は、11月2日、東京都内で結成30周年記念大会と祝賀会をひらいた。この日の夜、都内のホテルで開催された祝賀会には200人が参加し、韓統連の韓国訪問に尽力した韓国の汎国民推進委員会が招待され、民主化に向けた連帯の強化を訴えた。部落解放同盟からも片岡中執が参加し、連帯のあいさつをおこなった。
 あいさつをした郭東儀・議長は、ながく苦難に満ちた闘いを振り返りながら「結成30年を契機に、さらに自主・民主・統一の実現に向けて運動を前進させたい」とのべ、韓国の民主勢力といっそうの連携と連帯を強めていくと決意を語った。
 韓統連の前身は、在日韓国民主回復統一促進国民会議(韓民統)で73年に結成され、86年に現在の名称に改編した。
 韓民統結成当時の韓国は、朴正熙大統領が「維新クーデター」を起こした軍事独裁の時代であり、民主勢力にたいする弾圧と人権抑圧の状態にあった。在日の民主勢力は韓国の民主回復と統一を強力にくり広げる運動として韓民統の結成をおこなった。
 結成大会の数日前に議長に内定し、日本に滞在していた金大中前大統領がKCIA(韓国中央情報局)の手によって拉致されるという事件がおこった。暗殺の危機のあるなか韓民統は結成され、金大中さんの救出、在日韓国人政治犯の釈放を求め、韓国内の民主勢力と連帯し韓国の民主回復と統一の闘いを展開してきた。そのため「反国家団体」として関係者の入国を禁止される事態が現在までつづいてきた。

無条件帰国の喜び報告

 今年の9月、はじめて韓国の汎国民推進委員会の招請で韓統連の韓国訪問が実現した。これまで「反国家団体」規定のもと、韓国政府は入国の条件として反省文の提出か情報当局の取り調べなしには入国させないとの立場をとってきた。しかし、今回無条件入国が認められ、運動にたいする名誉回復に向けて大きな一歩となった。
 現在、「反国家団体」とされたことへの名誉回復は完全には果たされていない。韓統連は今回の訪問を契機に名誉回復と自由往来の完全保証まで闘うことを確認した。

名誉回復に大きな1歩
25年の歳月をへて  
 朴正熙軍事政権下で韓統連が「国家保安法」による反国家団体規定を受けたのは78年。在日韓国人として、祖国の民主化と統一の旗を降ろさず活動をつづけてきた4半世紀は祖国との往来を遮断された時間でもあった。
 03年9月19日、代表団33人(日本から29人、ドイツから4人)は仁川空港で、マスメディアや本国の民主化運動家によって大歓迎をうけた4日間の滞在の間、韓国の主要新開はその日程の一部始終を報道し、「在日韓国民主人士、ようやく帰国」の大見出しが、実質的な名誉回復であることを告げる。
 この代表団の背中にはすでに祖国をみることなく亡くなった活動家たち、つぎはこの目で「祖国をみたい」という無数の活動家たちが存在している。日本の植民地支配、南北分断、分断によって強化されていった韓国の軍事独裁政権の「負の遺産」がようやく解消されようとしている。
 代表団のなかの5人が金大中元大統領と会い、「救援運動への謝意」があらためて表明された。また、光州事件(80年5月・韓国光州で民主化を求める市民に軍が発砲、犠牲者は推定2000入といわれる)の死者が眠る「5・18」国立墓地など、海外同飽として精一杯呼応してきた闘いのゆかりの地を訪ねた。当時は暴徒とよばれた光州市民が英霊としてていねいに葬られ、戒厳令軍がおこなった暴力も克明に展示されている。韓国の民主化への足跡がそこにもあらわれている。
 この実質的名誉回復をさらにすすめ、「国家保安法」違反という法的枠組みからの名誉回復が現在もすすめられている。

 


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