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狭山弁護団が補充書
警察鑑定が斎藤鑑定を裏付け
結びつかない石川さんと脅迫状
2条線痕の存在と筆記具が万年筆であったと警察鑑定も指摘

「解放新聞」(2003.11.24-2146)

 

 狭山事件再審弁護団は、11月12日、「斎藤第5鑑定補遺」と同補充書を提出した。斎藤第5鑑定補遺は、①脅迫状の封筒「少時」の背景の「抹消文字」について、1963年6月1日付の警察側の「関根・青田鑑定」のなかでそれを確認していること②同年6月10日付の警察側の「長野鑑定」で封筒記載文字の一部(「中田江さく」「中田江」など)の筆記具をペンと断定していたことを指摘している。斎藤第5鑑定では、封筒の「2条線痕」の存在と筆記具が万年筆であることを指摘している。事件当初、直接封筒にあたった筆跡鑑定で、これらがふれられていたことは、斎藤鑑定が指摘する「犯行前の万年筆使用の痕跡」の存在を裏付ける、という決定的な意味をもつ。
 確定判決では、「少時様」は自宅にあったボールペンで書き、被害者を殺害後、奪った万年筆で、「少時様」に訂正線を入れ、「中田江さく」と書いた、としている。しかし、斎藤鑑定がこの間明らかにしてきたのは、「少時」は万年筆で書かれていること、少時の背後には「抹消文字」(インク消しなどで文字を消去したもの)があり、それは万年筆で書かれている、ということだった。これにたいし棄却決定は、「斎藤第二鑑定の指摘は、ひとつの推測の域を出ないものという他はない」と、2条線痕の存在などをいっさい無視していた。
 今回の補遺は、警察側の鑑定も斎藤鑑定指摘の事実を40年前に認めていたことを示し、万年筆と結びつかない、石川さんの無実をいっそう明らかにしたものだ。


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