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松本副委員長の5選のカを
松岡書記長の参院選必勝へ
「解放新聞」(2003.11.24-2146)

 

 11月9日に投・開票された総選挙で、松本副委員長は9万2969票を得票し、次点の自民党新人候補者に約4万票の差をつけ、見
事に5選をかちとった。
 この勝利は、福岡県連の奮闘はもちろんのこと、全国の仲間の支援の結果であり、部落解放同盟の「解放の議席」を守り抜くことができた意味は大きい。今回の松本選挙では、全国的な「知人紹介」活動を展開し、福岡1区という限定されたきわめて困難な条件にもかかわらず、愛知県連をはじめとする11府県連から多数の紹介活動がおこなわれた。このことは、実際の紹介カード数の多寡ではなく、全国の同盟組織の団結の力で松本副委員長を国会に送りだしたということを意味する。
 また、大阪18区から立候補した中川候補は、大阪府会議員を3期経験した大阪府連の特別執行委員であり、大阪府連は全組織を挙げての選挙闘争を展開した。選挙戦は、長い間独壇場であった自民党の大物議員である中山太郎との一騎打ちであり、熾烈な激戦となった。選挙結果は、中山候補が10万8996票、中川候補が8万9930票で、選挙区では惜敗したものの、惜敗率82.5%で近畿比例代表で復活当選を果たした。
 これにより、衆議院では同盟組織からの議員を二人擁することになり、国政での部落解放・人権政策確立への牽引力としての期待ができる。
 今回の総選挙で、わが同盟は、民主党を中心に31都府県159候補の推せん・支持をおこない、その当選のために全力をつくしてきた。その結果、109人の当選をかちとることができた。推せん・支持候補の大量当選をかちとったことは、大きな成果ではあるが、肝心なことは今後いかに「政策協定を誠実に履行させていくかであり、積極的な活用をはかっていくことが重要である。

 今回の総選挙で、民主党の躍進は一定の評価はできるものの、小泉連立政権という与党体制に「絶対安定多数」を許してしまったことは、残念な事態である。さらに総選挙後、自民党は、保守新党や無所属議員を吸収して、単独過半数の議席を衆議院で確保した。
 小泉連立政権は、数のカを背景にして、国会審議を経ることもなく年内にイラクへの自衛隊派遣を強行しようと画策しており、年金問題などについても抜き打ち的に保険料の値上げをマスコミ発表するなど、総選挙後も立てつづけに「弱者切り捨ての市場原理」と「戦争への歯止めなき道」を歩もうとしている。
 小泉政権の「改革」に名を借りた好戦的・国権主義的・反人権主義的路線を断じて許さず、部落解放・人権政策確立への政治勢力を創り出していくことが急務である。
 そのためにも、衆議院での松本、中川の二人の議員に加えて、来年7月の参議院選挙で松岡とおる書記長の必勝をかちとる体制ととりくみを直ちに開始しなければならない。

 今回の衆議院総選挙で、比例代表では民主党が約2210万票(37%)で自民党の2066万票(35%)を上回っている。これを単純に来夏の参議院選挙に当てはめると、比例区では民主党19議席、自民党17議席となる。
 しかし、政局はきわめて流動化しており、来夏までの見通しは立たない状況である。肝心なことは、政局をしっかりと見据えながらも、政党の動きに右往左往しない独自の参議院選挙闘争の体制を作り上げることである。
 とりわけ、参議院比例区選挙では、「松岡とおる」の個人票をどれだけ獲得できるかが勝負であり、まさに解放同盟の全国的な組織力量が各都府県連ごとに掛け値なしで問われることになる。
 したがって、松本・中川議員をはじめ多くの推せん候補を衆議院に押し出した国政選挙闘争体制を継続し、直ちに来夏の参議院松岡選挙闘争体制を整え、参議院で「解放の議席」を必ずや奪回するために全組織・全同盟員が一丸となって具体的なとりくみを本格的に開始していこう。


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