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「紀元節・日の丸・君が代」と闘う
2・11全国各地で集会やデモ
「解放新聞」(2004.03.01-2159)

 

 2月11日、「建国記念(紀元節)の日」反対の闘争が、今年も全国各地でとりくまれた。本紙では京都と東京のとりくみを報告する。

天皇制の強化を許すな
生活の中から、反戦平和を
300人が2・11集会

 【京都】憲法無視のイラク派兵が強行されるなか、天皇制の強化を許さない京都実行委員会が主催する「紀元節・日の丸・君が代」とたたかう2・11京都集会が2月11日、京都会館会議場でひらかれ、300人が参加、天皇賛美を糾弾するとともに自衛隊のイラク派兵反対を訴えた。
 この集会は、今年で18回を重ねた。主催者あいさつで、代表世話人の大野昭則・府連委員長が「生活のなかから反対の闘いを取りもどさないと、ますます厳しい世の中になる。いまは、取り返しのつかない時代への土俵際だ」とカをこめて反戦・平和を訴えた。
 講演は、「中東から見た自衛隊イラク派兵」と題して一橋大学教員の鵜飼哲さんが、①どんな立場で分析するのか②誰と闘うのか③誰によびかけるのか④いかによびかけるのか⑤どんな「イラクの戦後」を構想するか、などの問いからイラク反戦運動をどう展望するかを熱く話した。とくに、日本政府の無展望性はアメリカに引っ張られるだけ、戦争禁止の国際法を展望しながら戦争責任の明確化などを通してアジア各国との近隣関係を形成することで、戦争を拒否する思想、「護憲」をもう一度、根づかせていかなければならない、と訴えた。
 集会は、「ストップ! イラク派兵・京都」と「東西本願寺を結ぶ非戟・平和共同行動実行委員会」から、さらに代表世話人の府上征三・牧師(日本キリスト教団洛陽教会)が閉会のあいさつで、それぞれ自衛隊のイラク派兵反対を強くアピールした。集会後、「憲法改悪・天皇の元首化を許すな!」と、府連を先頭に京都市内をデモ行進した。


戦争参加を許すな
憲法と教育基本法を問う
フォーラム平和・人権・環境が主催

 【東京】「戦争参加を許すな! 憲法と教育基本法を考える2・11集会」を2月11日午後、東京・全水道会館でひらき、200人が参加。日本人の歴史認識や「憲法改正」をめぐる動きについて学習を深めた。主催は、フォーラム平和・人権・環境。部落解放同盟からも参加した。
 集会では、「日本人の歴史認識について」を東京学芸大学教授の坂井俊樹さんが、「『憲法改正』をめぐる動きと課題」を法政大学非常勤講師の金子匡良さんが、講演した。
 坂井さんは、「日韓の歴史認識の共有は、ここ何年か後退現象がいちじるしい。後退現象を支えるのが『教育基本法』の改悪だ」とのべ、「抑圧されてきた人たちが必死になって『日本人』になる歴史が、いまふたたび『国家』という枠のなかで形成されようとしている」と指摘。「『教育基本法』はいま、たんなる復古調の改悪ではなく、グローバリズムのなかで精神主義が法律のなかに盛りこまれようとしており、法治国家としてたいへん危険」と語り、歴史認識の共有や平和運動の連帯行動を、と訴えた。
 金子さんは、「護憲・改憲」「超憲・拘憲」「廃憲・立憲」「侮憲・尊憲」「宮の憲法・民の憲法」「全面改正・部分改正・増補改正」という憲法論議の座標軸を提起。「そもそも立憲主義とは、権力者の権力濫用を阻止するために国家の最高法規を国民がつくること。現在の憲法論議はこの原意をまるでわかっておらず、何かこの国の形を語るんだというあいまいななかで漂流している」と指摘し、「憲法は国民の側が国家に責任を課するもの。もう一度立憲主義を再構築せねばならない。『尊憲』をゆずれな
い土台としつつ、『超憲』のなかで蓄積してきた人権保障の水準や労働運動の水準などをふまえ、われわれが政治をコントロールする『民の憲法』の視点から新たに『立憲』を考えるところに原点をおこう」とよびかけた。


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