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4本指を示して侮辱
「あの辺の○○はみんな、これだ」
羽生市内の病院で差別発言
「解放新聞」(2004.03.29-2163)

 

 【埼玉支局】県連は2月18日、久喜市の清久コミュニティセンター・西公民館で、昨年11月に羽生市の羽生病院で発生した差別発言事件(別掲)の事実調査会をおこなった。調査会では、差別発言を指摘された久喜市内の男性M(68歳)は、発言を認め、謝罪した。

事実調査会で謝罪

 この差別事件は、昨年11月15日、羽生病院内で発生した差別事件で、見舞いにきていたMが、二人の部落出身者の前で「あの辺の○○(名字)は、みんなこれだ」と4本指を示して侮辱したもの。
 調査会には、県連から片岡明幸・委員長、長島泰治郎、水嶋輝彦・両副委員長らが出席、久喜市からは差別発言したMのほかに人権擁護課長、生涯学習課長ら4人が出席した。
 調査会では、当日の差別発言についてMは、指摘されている内容を認め「大変に申し訳ない発言をしてしまった」と謝罪した。
 また、部落問題にたいする認識や4本指を示したことについてMは「子どもの頃、まわりがみんなそうしているので、つい自分も気がつかないまま使ってしまった」と釈明、さらに40年勤務した都内の信用調査会社で同僚から「(同和地区かどうかの)特別な調査の依頼がきている」など差別の実能を率直に語った。
 なお、部落問題についてMは、「久喜市に住んで40年になるが、同和問題の研修会などに一度も参加したことはないし、そういう研修がおこなわれていることも知らなかった」と語った。
 片岡委員長は「典型的な差別事件だ。まだこういう実態が残っていることが残念でならない。啓発の反省材料として関係機関に問題提起したい」とのべた。

羽生病院で発生した差別事件の概略

まだ残っている典型的な差別だ

 昨年11月15日、入院中の妻の看病に来ていた騎西町上崎支部員のSさん(83歳)が、喫煙で玄関先に出ていたところにMがやってきて二人で話し始めた。そこへ夫の看病にきていた羽生市の部落出身のYさん(73歳)も加わり、3人で世間話がはじまった。
 そのうちにYさんがMに「どこの出かね」とたずねると、「行田市の太田」と応えたので、Yさんが「Hさんを知っているか」と部
落の男性の名前をあげた。するとMは「あの辺のHは、みんなこれだ」といって4本指を指し出した。
 憤慨した二人が「それは差別じゃないか」「その歳になって何だ、差別するとは」と抗議すると、Mは「悪かった。謝るから勘弁してくれ」と謝罪を繰り返した。二人はその後、Mの妻と弟も同席して話し合いをつづけたがまとまらず、「明日また話し合う」ということで終わっていた。


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