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研修の充実求める
「本籍を移さない方が……」
営業職員が「同和地区ですよ」と
「解放新聞」(2004.05.17-2169)

 

 【福岡支局】「本籍を移さない方がいいですよ」と、A社のY営業職員の差別事件にたいする第2回目の糾弾学習会を2月26日にひらいた。糾弾会には、部落解放同盟からは県連、福岡市協、筑紫地協が、またA社、県、関係市町村、ハローワークが参加した。

糾弾会であやまり
心境の変化を語る

 糾弾会では、A社を代表してA社長取締役が、事件のおわびと、今後の研修について『部落地名総鑑』事件の原点に立ち返り、職員の意識変革をうながす研修に努めていく、とのべた。
 吉岡正博・県連書記長からは、事件の差別性や問題点、前回の学習会で明らかになった課題などを提起した。
 差別発言をしたY職員は、自身の生活のなかで部落問題を語れるようになったことなど、第1回目の糾弾会から1年間の自身の生活や心境の変化などを語った。
 またA社からは、事件に関する総括と、これまでの研修内容や今後の研修について報告された。

次回は行政の
責任明らかに

 参加者からは、A社にたいしては「原点に立ち返るといったが、原点とはなにか」、行政にたいしては「この間、指導、助言はおこなったのか」などの意見や指摘があった。
 最後に、吉岡県連書記長が、A社に不十分な研修を指摘し今後、充実した研修にとりくむことを提起。さらに、今後、この事件に関する行政の責任を明らかにするため、別途、学習会をひらくことも提起した。

事件の概要
 01年12月中旬、A社・福岡支社営業部のY職員が、新年度のカレンダーを契約者Hさんに届けたさい、雑談中につぎの会話がおこなわれた。
H「引越しするのよ」
Y「どちらですか?」
H「那珂川町」
Y「私も那珂川町に住んでいますが、どちらですか?」
H「●●と書いて○○と呼ぶんです」
 (一瞬黙ったが)
Y「ご存知ですか。同和地区ですよ」
H「同和って何ですか?」
 (と聞かれたがその説明はせず)
Y「娘さんがいるので本籍を移さない方がいいですよ。私の姉も知らずに家を建てたが、本籍は変えていない。住所がわかったら教えてね」



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