識字活動40年で記念誌
誇りを一人ひとりのものに
筑紫地協・永岡
「解放新聞」(2004.06.28-2175)

　【福岡支局】筑紫地協、永岡支部の永岡識字学級が活動40年を迎え、記念誌「湯の上の誇り」を発刊した。その祝賀会を５月23日、永岡隣保館でおこない、100人が参加した。祝賀会では、記念誌にこめた思いを代表３人が発表。また、「水平社宣言」を参考につくられた「湯の上宣言」を朗読した。参加者は胸を熱くし、「人の世に熱あれ、人間に誇りあれ」と締めくくった。今後、永岡識字学級は、「誇り」を一人ひとりのものにするとりくみを広めながら連帯を強め、人権のまちづくりへとつなげていこうと
している。
　記念誌には、ムラでの生い立ちを子どもから高齢者までそれぞれが振り返ったり、支部内３世代による対談も掲載した。また、40年のとりくみにかかわった人からのメッセージや、識字をとおして築きあげてきた作品も掲載した。
　タイトルの「湯の上」とは、この地にあったと伝えられる温泉地にちなんでつけられた通称名で、被差別部落のらく印となり、多くの人びとを苦しめてきたが、タイトルにはそれを誇りに転化していこうという願いをこめている。記念誌発刊へのとりくみは、３年前、住環境整備事業によってムラが昔の姿を失おうとするなかではじまった。