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文化人が要請行動と集会
最高裁で公平・公正な裁判求める
「解放新聞」(2004.07.19-2178)

 

 狭山事件の再審を求める文化人の会(庭山英雄・代表、鎌田慧・事務局長)が、7月1日午後、最高裁に狭山事件の再審を求める要請行動をおこなった。また、同時に記者会見をひらき、夕方からは都内のスクワール麹町で「狭山事件・えん罪41年目の決意―狭山事件の再審を求める市民集会」をひらき100人が参加、これまでの運動をさらに大きくするはじめの一歩をしるした。集会の最後に鎌田さんは署名運動の拡大を訴えながら、ネットワークを広げよう、真実は必ず明らかになる、力を合わせがんばっていこう、とよびかけた。

事実調べを強く要請

 最高裁への要請行動には、庭山英雄(弁護士、元専修大学教授)、灰谷健次郎(作家)、前田哲男(ジャーナリスト)、鎌田慧(ルポライター)、前田憲二(映画監督)、増田れい子(ジャーナリス)、針生一郎(評論家)、梅沢利彦(ジャーナリスト)、布施哲也(文化人の会事務局次長)さんなどが参加、石川早智子さんも合流した。
 庭山代表が、狭山事件の公正な裁判―事実調べを求める要請文を朗読。要請文では、数多くの新証拠がありながら鑑定人尋問もなく、検察官手持ちの証拠開示もないのは公正・公平な裁判でないと指摘し、「最高裁判所が再審棄却決定、異議申立棄却決定を取り消し、鑑定人尋問など事実調べをおこなうよう、東京高裁に差し戻すことを強く求め」た。また、この趣旨に賛同する文化人の署名もあわせて提出した。
 最高裁では、参加した一人ひとりが、法の尊厳のためにも公平な審理―再審を、これだけの疑問ある裁判を黙殺しないでちゃんと調べることが裁判所に与えられた任務、この裁判に決着をつけることが日本社会の歴史的任務だ、などと訴えた。石川早智子さんは、一雄さんはいまも人間を、裁判官を信じている、必ず無罪になると信じていると心境を語り、生きる望みがみれるようにしてほしい、と語りかけた。
 要請参加者は、このあと記者会見をおこない、中山武敏・狭山事件主任弁護人、石川一雄さんも合流、石川さんの無実と再審実現を強くアピールした。

灰谷健次郎さんが講演

 「狭山事件・えん罪41年目の決意―狭山事件の再審を求める市民集会」(再審を求める文化人の会主催)が7月1日夕、東京・スクワール麹町でひらかれ100人が参加した。集会では、最高裁への要請行動に参加した文化人の会のメンバーが、狭山事件とのかかわりや今後の方向を語った。また、集会参加者からのアピールもおこなわれた。作家の灰谷健次郎さんは「狭山事件の問いかけるもの」と題して講演をした。
 中山主任弁護人は、筆跡の違いを具体的に示しながら、裁判官の憶測や推測だけで決定を出しているが、それはきわめて不当、大事な時期での世論喚起の活動を歓迎したい、支援の輪を広げてほしいとのべた。
 石川一雄さんは、みなさんの力をかりて1日も早く再審を実現させてほしい、と訴えた。灰谷さんは無実の人間が40年にわたって自由を奪われているのが狭山事件だ、命はいつくしむものだが、狭山はこの反対を一人の人間に強いた、この事実を知らないことが日本と日本人の汚点、ていねいに追えば必ずえん罪は晴らせる、とよびかけた。


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