曹洞宗が追善法要
被差別戒名物故者諸精霊の
「解放新聞」(2004.07.26-2179)
曹洞宗は7月7日、神奈川県横浜市にある大本山總持寺で被差別戒名物故者諸精霊追善法要をおこなった。大導師は總持寺の大道晃仙・貫首がつとめた。
部落解放同盟からは組坂委員長をはじめ、各地から18人が参列し、焼香。法要後、三松閣大講堂で、組坂委員長が講演をおこなった。
組坂委員長は、さまざまに差別されつづけて絶望し、みずから命を絶った部落の青年の詩などを紹介し、部落差別の罪、恐ろし
さを報告。「人間解放の視点・視座で物事をみることが一番大切」と説き、差別戒名や差別過去帳が部落出身者の身元調査に使われてきた歴史的経過や、全水いらいの部落解放運動の歴史、「人権侵害救済法」制定や参議院選挙闘争などの今日的課題も説明し、「日本の部落差別の歴史を学ぶことは、ほかのさまざまな人権問題についても掘り下げて考える大きな力になる」と語り、部落解放・人間解放への曹洞宗のいっそうの尽力を訴えた。
有田恵宗・宗務総長は、「死後にまで差別を受けた方がたへのおわびと追善。同時に私たち僧侶には、差別戒名という仏の教えに背いた行為への心からの俄悔と今日あらゆる差別の撤廃と人権の確立に向けての自覚を新たにするきわめて重要な意味をもつ行事」と永平寺・總持寺の両大本山で毎年おこなわれるこの法要の意義を説き、曹洞宗は世界的課題である「人権の確立」「平和の維持」「環境の保護」を3大スローガンにとりくみをすすめていることを報告。同日現在、差別戒名墓石は改正対象寺院145か寺のうち125か寺で改正、差別過去帳は改正対象寺院218か寺のうち183か寺で改正したと語り、完全改正へ努力を重ねる決意をのべた。
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