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根強い差別意識
「おまえらエッタやんけ」
元小学校校長が差別発言

「解放新聞」(2004.09.20-2186)

 

 【滋賀支局】「おまえらエッタやんけ」と、湖東町在住の元小学校校長による結婚式場での差別発言事件の報告学習会が、7月28日、湖東町内でひらかれ、地元湖東町民、愛知郡協の役員ら250人が参加した。

ともにとりくむ

 この差別事件は、98年2月に発生し、地元長塚支部、愛知郡協が中心となってとりくみ、今年1月21日の第4回確認学習会で集約、この日の報告学習会はこれまでの論議をふまえて湖東町民をはじめ多くの人びとに部落差別の現実を知ってもらい、部落解放、人権確立に向けてともにとりくむことを目的にひらかれた。主催は、湖東町、湖東町教育委員会、湖東町同和教育推進委員会。
 報告学習会では、湖東町人権擁護課から、今回の差別事件の概要、事件発生以降のとりくみ、事件の要因・背景、差別事件を通じて学んだこと、などをスライドを使って参加者にわかりやすく報告された。
 そのなかで、湖東町民の意識調査の結果、町民のなかに根強い差別意識があり、差別発言も飛びかっている。しかし、差別事件として報告されないのは、差別にたいして同調したり黙認してしまっているのが現状で、部落差別を再生産する構造を私たちが作っている。また、町民の同和教育・啓発を否定する考えをもっている、と報告。
 今回の差別事件は、元校長だけの問題ではなく町民一人ひとりの問題で、学ぶことをとおして部落問題の解決、人権確立社会の実現に向けたとりくみをすることが求められている。

粘り強く待つ

 建部五郎・県連委員長は「出会いは、はじまり」と題した講演のなかで「6年間という長期になったが、これは、元校長が同和地区を校区にふくむ学校での校長経験もあり同和教育を実践してきたという自負もあったことから、なぜ差別発言をしてしまったのか自問自答し、自分自身の意識を切開するというひじょうに苦しい作業をしたこと。私たちは、強制するのではなく粘り強く待つことを選択、元校長だけでなく家族もふくめて考えてもらう時間をもった。きょうは、本人は持病の悪化で出席されてないが、つれあいさんが参加、学習されている」と話した。
 湖東町では、今回の学習会をまとめた啓発冊子を作製するためにとりくみをすすめている。

 

差別発言事件の概要

 98年2月、結婚式場で、元小学校校長のAさんが、親せき代表のあいさつを終えてロビーで休んでいた時、結婚式に出席していた教え子Bさん(被差別部落出身)とCさん(Bさんの友人でAさんの親せき)に出会い、二人に向かって「こんな暴力団みたいな者とつきあうな」と発言。BさんとCさんが強く抗議したところ、Bさんに向かって「おまえらエッタやんけ」といって、そばにいたCさんを突き飛ばした。
 Aさんは、披露宴で酒を飲んでいたため分からないといっていたが、多くの人が目撃していたため、みずからの発言を認めた。


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