続く差別落書
「エタは悪の元凶だ」
南国市、２日間で７か所

「解放新聞」(2004.12.27-2200)

　【高知支局】「エタは悪の元凶だ」など、南国市で10月29、30日、ところを選ばず市内７か所で、同一犯と思われる差別落書が発見された。

所選ばずに差別落書が

　10月29日、市民や南国土木事務所職員らの通報から南国市内の個人所有の自動販売機やガードレール・堰の操作室ドア・看板（いずれも、南国土木事務所管理）、ゲート機側操作盤（市・農林課管理）など５か所で、赤の油性マジックで書かれた差別落書が見つかった。
　内容は、「エタは悪の元凶だ」「エタをこのままにすれば日本は死ぬ」「エタはウジ虫　社会の害虫だ」などと単文や１、２行文などで書かれていた。
　また、翌日の10月30日、市民の通報で南国市駅前町のA荘の階段部分に「エタを殺せ　世のため」「エタは悪の元凶だ　このままでは日本は死ぬ」と書かれた差別落書が発見された。
　さらに、近隣の住民からの知らせで近くの民間アパートの個人所有の水槽に「エタは悪の元凶」という差別落書が見つかった。
　いずれも、赤のペンキのようなもので書かれており、南国市や地元の解放同盟市協、地方法務局支局、警察らが確認した。

筆跡、表現から同一人の仕業か

　南国市で二日続けて発見された差別落書は、筆記用具は違うが、筆跡や表現が似ていることから同一人の仕業であることは間違いないと推測されている。
　なお、同市では、昨年６月、Tさん宅前の市道沿い電柱５本にカタカナで「エタ・エタハキタナイ・アバーチ」の差別落書が発見され、中の１本にはTさんの名前が書かれたり、車庫にも18か所にクギなどで書かれた「エタ」の文字が見つかっている。その他にも河川敷に書かれた差別落書も見つかっている（2141号既報）。