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部落問題資料室
NEWS & 主張
石川一雄さんメッセージ
新証拠手に突きくずす
差別と予断に因る「判断」は「事実」をもって
覆すしかありません。不退転で闘っていく
「解放新聞」(2005.1.17-2202)
 昨年暮に連れ合いの弟さんの急逝に伴い、新年のあいさつは遠慮させて貰いましたが、年明け早々に最高裁に依る判断は出されないと思い乍らも、特別抗告審も三月頃迄が勝敗を決する時期に来ていることは紛れもない事実であります。従って、戦術的な事は弁護団に任せるとしても、戦略としては、最早一刻の猶予もない「攻め際」に来ているので、最高裁に対し、積極果敢なアプローチとして、私は斎藤第5鑑定補遺を前面に立てて闘う必要があろうかと思う次第であります。然も、斎藤一連鑑定の正しさをよりいっそう結論づけて下さったのは、元福島県警、大阪府警に居られた鑑識課員の鑑定結果でありました。是等の鑑定に裏付けられた以上、尚更攻撃に出られる筈であり、又如何に堅固な牙城といえども、斎藤鑑定や補遺等の新証拠の前には突き崩せる筈です。
 元より今迄の裁判所が「事実調べ」に難色を示してきた現実からして、司法当局の姿勢を変えるには私達の方の「望」「手の内」を見せる必要があります。例えば、各論として「少時様」の「少時」の部分は「万年筆」乃至「付けペン」が用いられていることは、諸鑑定人の科学的鑑定に依って明白になっているので、最高裁には此の点を鋭く指摘し、場合によっては「事実調べ」を行う前に、「少時」の存在の有無を職権で鑑定を行うように、「冀望的」「当り前」として追求していけば、自ずと勝機は見出せるものと確信いたします。
 そんな訳で、最高検に対して全証拠開示命令も不可欠乍らも、取分け、斎藤第5鑑定及び補遺は決定的です。被害者宅に届けられた脅迫状・封筒は万年筆が使われたのかボールペンだけなのか、斎藤鑑定に依って、事件当時万年筆を持っていなかった私が脅迫状を書いたのでないことは明らかになったのです。此の斎藤鑑定丈に就いてでも、証人、証拠調べを行えば、私の無実は100%証明されます。
 皆さんもご承知の様に寺尾裁判長は、自ら事実調べも現地検証も行わずに、不当な「有罪」判決を下し、其れ以降、狭山事件に於ては、三十年以上も全く証拠、証人調べのないまゝに、判決、決定が繰り返されています。差別と予断に因る「判断」は「事実」をもって覆すしかありません。
 故に私は最高裁、国家権力に因る差別的な棄却攻撃は絶対に許さない不退転の決意で闘って参る覚悟でいます。どうか皆さんも昨年以上のご指導とご協力下さいますよう切に切にお願い申し上げます。
 最後になりましたが、今年も狭山裁判闘争に支援して下さる皆さんにとっては、ご健勝とご活躍されることを心から念じつゝ、右私の決意と致します。

二〇〇五年一月一日

石 川 一 雄
全国狭山支援者ご一同様


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