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部落問題資料室
NEWS & 主張
ネットで部落差別
「部落への融資お断り」と
銀行の偽ホームページ作成し
「解放新聞」(2005.2.21-2207)
 コンピューターシステム開発会社の元社員が、他人になりすましたメールや勝手に作成した顧客企業の偽ホームページで、部落差別を繰り返していた事件について、中央本部と関係府県連で事実確認をすすめてきたが、近く糾弾会がおこなわれる。

差別をすれば
抗議が会社へ

 事件を起こしたのは、パソコン大手の子会社N社の元社員S。差別メールは、02年10月7日に大阪、兵庫の支部など4か所に送られ発覚した。メールには、「N社は大阪部落民を差別する会に加盟しています。差別を推奨します。」と書かれ、大阪の部落の地名40か所も掲載されていた。
 またSは、取引先のY銀行の偽ホームページを作成、そのなかで「(部落民は)人に非ず。死あるのみ。」「部落への融資お断り」と表記し部落地名を掲載し、悪質な差別扇動をおこなっていた。
 すでにSは03年4月に逮捕され5月に業務妨害の刑が確定している。これまでの確認でSは、配置転換への不満から会社に恨みを抱き、同僚や顧客へ中傷メールを繰り返すうち、「部落差別をすれば会社が抗議を受けると思って」犯行におよんだとのべている。
 みずからの偏見を省みることもなく、会社への恨みをはらすために無関係な部落への差別扇動を、他人になりすまし繰り返した犯行は、狡猾(こうかつ)で許すことができない。
 さらにSが部落の地名をインターネットで得たように、電子空間に蔓延する部落差別情報を利用し、簡単かつ大量に差別扇動が可能という、今日のネット社会が抱える深刻な問題を、今回の事件は提起している。

21日に糾弾会

 またN社は当初、行政や解放同盟と協力して事件にとりくんでいたが、犯人逮捕の一報が届くのは、10か月も遅れる。逮捕の直前に偽ホームページがメールにリンクされ発信されるが、N社は発見直後にページを削除し、即日Y銀行を訪問、謝罪している。しかしこの時、偽ホームページについて説明していない。
 この半年後に、偶然起こった接続業者の事故で削除したホームページが復活、通報を受けた行政からホームページの存在をY銀行ははじめて知るのだが、別の差別事件が発生したと現場は大いに混乱した。
 またN社は、関係機関への連絡もなく、刑確定直後のSを懲戒解雇し、差別事件を起こした本人への意見聴取すらしなかった。
 「私への嫌がらせメールがあった」とSが言うように、N社には中傷メールが飛び交う職場環境があったと思われる。そうしたことが差別事件にどう関係しているのか、事件の真相究明が急がれる。
 糾弾会は、2月21日(月)午後1時から大阪人権センターでおこなわれる。

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