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部落問題資料室
NEWS & 主張
差別撤廃めざす
共生、連帯、公正を基調に
中央共闘が第29回総会ひらき
「解放新聞」(2005.2.28-2208)
 部落解放中央共闘会議は2月18日午後、東京・全水道会館で第29回総会をひらき、110人が参加。弱肉強食の市場万能主義でな
く、「共生・連帯・公正」を基調に差別撤廃・人権擁護のとりくみをすすめることを強調し、「人権侵害救済法」制定や狭山再審、「ILO111号条約」早期批准・国内法整備、「統一応募用紙」徹底などを盛り込んだ活動方針や予算を決め、新役員を選出した。議長には菰田義憲・連合副会長(JPU委員長)、事務局長には山本潤一・日教組副委員長が留任した。
 記念講演は、「人権侵害救済法の制定を目指して~法案要綱試案・補強案の意義と内容」をテーマに山崎公士・新潟大学法科大学院教授がおこなった。
 組坂委員長は、ともに正念場中の正念場を迎えている「人権侵害救済法」制定と狭山再審実現へのいっそうのとりくみの強化を訴え、「この一年、働く者の人間解放と部落の解放、ともにめざしてがんばり抜く」と語った。

平和と人権をめざす
中央共闘が第29回総会で

主催者あいさつで、菰田議長は、小泉首相が「構造改革」「規制緩和」の名ですすめてきた市場万能主義の結果、社会の二極化、「3つの不安」(生活、将来、安全)が広がっている情勢を語り、「本当に人間を大切にする社会は、市場万能主義との対決を抜きにして語れない」と指摘。「人権侵害救済法」、差別禁止法の整備、狭山新100万人署名の達成などの課題をあげ、「ひじょうに困難な状況と閉塞的な世の中だが、われわれが平和と人権をめざす志しを高く掲げていくことで打開できるという信念はやまない」と闘いの決意を語った。
 連合の高橋均・副事務局長は、不安や恐怖、憎悪の心理をテコにした政治をつづける小泉政権の政治手法が、戦前のナチス官僚の民衆支配の考え方ときわめて重なりあっていることを指摘し、「貧富の格差や不安の増大は人の心の荒廃と危険を生み出し、人間の心に潜む差別意識を顕在化させる。労働組合として人権、平和、環境といった問題を重視する繰り返しの学習が必要だ。自由な発言が保障される、平和で、差別なく、安定した社会をめざして、中央共闘会議の活動に積極的に参加する」と決意を語った。

部落解放中央共闘会議役員
議長
菰田 義憲 連合副会長・JPU委員長
副議長
組坂 繁之 部落解放同盟委員長
高橋 均 連合副事務局長
岡部 謙治 自治労副委員長
児玉 文男 NTT労組副委員長
堀 峰夫 私鉄総連副委員長
事務局長
山本 潤一 日教組副委員長
事務局次長
丸田 満 連合国民運動局部員
西島 藤彦 部落解放同盟書記次長
増田 吉行 JPU中央執行委員
泉 祐子 自治労政治政策局次長
渡辺 幸一 私鉄総連国民運動部長
会計監査
河野 泰寿 NTT労組中央執行委員
内川 博之 全たばこ中央執行委員
常任幹事
岡戸 裕 部落解放同盟事務局・中央共闘専従

総会宣言
 今日、小泉政権がすすめている「構造改革」は、社会保障を後退させ庶民に負担を押し付け、失業や不安定労働を増加させ、庶民の生活を圧迫している。景気の回復がいわれているが、社会の二極化といわれるように、その恩恵は一部の富裕層に集中し、多くの庶民の生活はますます苦しくなっている。若者の失業率も高く、フリーターなど不安定な雇用が増えており、多くの若者が希望を持ちにくい状況が進行している。
 そして自殺者や犯罪も増え、社会の荒廃が進み、社会に閉塞感が漂う中で、ナショナリズムや戦前回帰が煽られ、平和を脅かす動きや、人権を抑圧していこうという動きが強まってきた。このような危険な状況を打破するために、私たちは力を合わせて行動しなければならない。
 そのために人間を本当に大切にする、人権擁護の機運を盛り上げることが重要である。人権教育・啓発推進法を活用し、地域から人権擁護と平和の機運を盛り上げよう。そして、日本における人権の法制度確立の柱として、人権侵害救済法の制定と実効ある人権救済機関設立を勝ち取ろう。
 社会の二極化や差別構造を是正するために、公正なワークルール確立が必要であり、その柱として、採用を含む雇用差別禁止の法律とシステムを確立しよう。さらに、社会的セーフティネットとしての奨学金制度を充実させよう。
 また、狭山事件の再審実現の闘いも特別抗告審の正念場をむかえており、100万人署名を早期達成し、再審を実現していこう。
 私たちは、これらの課題を柱に、職場・地域に根ざした力強い運動を創造し、人権が尊重される平和で豊かな社会を実現するため奮闘することを誓うものである。

2005年2月18日
部落解放中央共闘会議
第29回総会


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