部落解放同盟第62回全国大会を、3月3、4日、東京・九段会館を主会場にひらき、代議員、中央役員935人が出席。最大の山場を迎えた「人権侵害救済法」の今国会での制定へ全力をあげること、このなかではこの間一貫して主張してきた独立性、多様性、実効性、メディア規制の撤廃などの内容を盛り込んだ法律を、人権の法制度の総合的確立の一つとして求めることを誓い合った。また、狭山再審闘争でも、特別抗告3年を迎え、弁護団が3月24日に新証拠・補充書を提出以降、いつでも判断を下せることから、新100万人署名を早急に達成し、世論をさらに大きく盛り上げ、なんとしても再審実現の道を切りひらこう、と確認した。すべての力を結集し、小泉政権の戦争への危険な道、弱者切り捨て路線と対時し、地域からの地道な実践の積み重ねで部落解放-人間解放という部落解放運動の大道を切りひらいていこう。
人権の法制度の確立めざし闘う
大会では松本副委員長が開会あいさつ、司会をつとめた。土方鐵・解放新聞前編集長はじめ志半ばで倒れた多くの同盟員へ思いをはせ黙祷した。水平社宣言を岸田副委員長が朗読した後、解放歌を全員で合唱、議長団に古河邦子さん(埼玉)、東田寿啓さん(兵庫)を選出した。
本部を代表して組坂委員長が、今年が敗戦60年、部落解放同盟へ改称50年、「同対審答申」40年、「部落地名総鑑」発覚30年、「部落解放基本法」闘争20年の節目の年であることを強調。人権が守られる社会の実現のために、今国会での「パリ原則」にもとづく「人権侵害救済法」制定へ全力で闘おう、とよびかけた。また、狭山再審でも狭山の勝利なくして部落解放なしとの立場から、新100万人署名の早期達成を訴えた。さらに世界の水平運動として、スマトラ沖大地震・津波の被災者への支援など、解放の父・松本治一郎元委員長がよびかけた反差別国際連帯を脈みゃくと受け継ぎ、国権主義と対峠し、人権・平和の確立、部落解放―人間解放へともに闘い抜こう、と檄を飛ばした。
来ひんあいさつでは、自見庄三郎・自民党(衆議院議員)、山名靖英・公明党(衆議院議員)、川端達夫・民主党幹事長(衆議院議員)、福島みずほ・社民党党首(参議院議員)、草野忠義・連合事務局長、宮崎奕保・部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会会長(代理)、山本潤一・中央共闘事務局長、高松秀憲・全同教委員長、中山武敏・狭山事件主任弁護人から祝辞をいただいた。
来賓紹介、祝電披露の後、中田幸雄・大会運営委員長が大会の成立を宣言。石川一雄、早智子さん夫妻が狭山再審闘争へのいっそうの支援を訴えた。
午後からは、一般活動報告を谷元中央書記次長が、財務・会計決算報告を吉田中央財務委員長が、会計監査報告を小島中央会計監査委員が、中央統制委員会報告を高城中央統制委員長がそれぞれおこなった。
また、提案事項として「一般運動方針案」を松岡中央書記長が、財務・会計予算方針提案を青田中央財務委員長がおこなった。
その後、午後3時から3分散会会場で運動方針案などで討議をおこなった。
組織・財政・人材育成も
2日日は、前日の討議をもとに各分散会の報告がおこなわれ、つづく全体討論では奈良、広島、京都、福岡、大阪の5代議員が①「人権侵害救済法」の今国会制定へ②狭山再審のとりくみ③青年の組織化、組織・財政・人材育成④反核・反戦・平和の課題と危険な改憲策動との闘い⑤具体的な差別糾弾闘争のなかで浮かび上がってきた課題などで意見を出した。
これらの討議を受けて松岡中央書記長が本部答弁と集約に立ち、スローガン案の字句修正と諸課題について本部の考え方を示した。また、青田中央財務委員長が財務に関して補足説明をおこなった。
採決に移り、報告事項、提案事項をそれぞれ賛成多数で採択した。
大会スローガンを確認した後、西島中央書記次長が大会宣言を読みあげ提案、採択された。
議長団退任あいさつにつづき、大野副委員長が閉会あいさつ。組坂委員長の力強い団結ガンバローで2日間の大会を終えた。
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