議長に世界救世教いづのめ教団
開会あいさつで佐々木兼俊・議長は「これまで各教団においては、差別撤廃のとりくみに協力してもらい感謝する」とのべた。
来賓あいさつで中央本部の組坂委員長は、「人権侵害救済の法律は、国会上程が自民党内の手続きで遅れている。人権侵害の定義、運用、国籍条項などがいわれているが、1993年に国連で採択したパリ原則は、日本政府も賛成した経緯がある」と、後退した自民党内部の論議水準を批判した。また、狭山事件の特別抗告審の棄却について「再審を今度こそという思いがあった。弁護団が調査官に会う約束をしていた矢先の抜き打ち的なもの」と批判、第3次再審闘争へのこれまで以上の支援を訴えた。
佐々木議長は、議長報告で「高野山真言宗が第12期議長教団を引き受け2年がたった。情報化がすすみ、生身の人間関係をおろそかにする傾向が増し、情報が氾濫し、プライバシーの侵害もますます増える傾向にある。人権問題はよりいっそう深刻化してきている」とのべた。また、未加盟教団への働きかけや差別解消に向けた自己変革とその意志表示の場として活動を充実していく必要があるとのべたほか、具体的に各企画委員会のとりくみを通じて、各種研修や各地の同宗達との交流、啓発冊子の作成などを積極的に推しすすめていく、と報告した。
議事終了後は、安野兼司新議長が就任あいさつで「もっとも遅い加盟教団だと思うが、すでに10年がたつ。先輩の方がたに育てていただいたことを感謝している。前任教団の熱い思い、努力をひきついでいく」と決意を表明した。
第13期「同宗連」役員教団 |
「人権侵害救済法」(仮称)の今国会での早期制定と「法案」の充実を求める決議文 |
『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議は、部落差別をはじめとする一切の差別を解消することを目的として結成し、その運動に取り組んでおります。 日本における人権状況は、同和対策事業の推進によって一定の成果が得られたとはいえ、今なお厳しい部落差別や人権侵害が存在し、深刻化しているといえます。 一昨年10月、「人権擁護法案」が廃案になって以降、「人権侵害救済に関する法律」制定の動きが途絶え、「立法不作為」の状況が続いてきたことは非常に遺憾であります。 「同宗連」では部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会に参加すると共に独自に「人権侵害救済法」(仮称)早期制定を求めての特別集会を開催する等、継続的な取り組みを進めてきました。 そうした中、小泉総理は、第162通常国会冒頭の施政方針演説において「人権救済に関する制度については、検討を進めます」と明言され、政府・与党が「法案」の再提出へむけて取り組みをされておりますことは、歓迎するところです。しかし、マスメディアの報道によれば、「法案」は、廃案以前から指摘されていた問題点を無視したものであり、私たちはその「法案」に大きな危倶を抱いております。 私たち「同宗連」は、その「法案」が、近年深刻化しているさまざまな人権侵害状況に対応できる「独立性」と「実効性」を備え、国際人権基準(パリ原則)に沿った法律として制定されることを要望すると同時に、「法案」に抜本的修正を施し、こうした内容が明確に盛り込まれた「人権侵害救済法」(仮称)として新たに提出されることと、その「法案」の成立が今国会で図られることを強く求めることを、ここに決議します。 2005年4月12日 |
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